研究所からのお知らせ

  • 2017.9.15更新
「絵本読み聞かせボランティア活動で加齢に伴う海馬の萎縮が抑制」

 東京都健康長寿医療センター研究所の藤原佳典研究部長と石井賢二研究部長らの研究グループは、幼児・児童に対する絵本の読み聞かせボランティア活動が、高齢者の加齢に伴う海馬萎縮に抑制的に働く可能性があることをMRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)を使った縦断研究によって明らかにしました。
 藤原研究部長の研究チームでは、2003年に高齢者ボランティアが子どもへの絵本読み聞かせを行う世代間交流プロジェクト「Research of Productivity by Intergenerational Sympathy (REPRINTS)」を立ち上げ、活動の支援と共に追跡調査を重ねて、その心身機能への効果を検証してきました。調査では、脳構造を調べることができるMRI検査も行ってきました。そこで初回検査時にMRI検査を受けたREPRINTS projects参加者および読み聞かせを行わず健康調査だけに参加する健康モニター(両者ともに自由参加)のうち、6年後にもMRI検査を受けた者を対象に、海馬の萎縮がどの程度進んでいるか調べました。その結果、健康モニターでは正常範囲ながら加齢に伴い統計学的に有意な海馬の萎縮が認められたのに対し、REPRINTS projects参加者では、海馬の萎縮が抑制されていることが明らかになりました。また、このような6年間の海馬萎縮の程度は認知機能検査の得点変化と強く相関していました。
 この研究成果は、同研究所の桜井良太研究員によりまとめられWileyの国際雑誌「International Journal of Geriatric Psychiatry」オンライン版(8月31日付)に掲載されました。

 

プレス発表資料

  • 2017.9.12更新
「より悪性化した前立腺がんの診断、治療の新しい標的PSFの発見―悪玉男性ホルモン受容体V7をつくる司令塔をターゲットとした治療」

 東京都健康長寿医療センター研究所の井上聡研究部長、高山賢一研究員は、従来治療が効かなくなったより悪性の前立腺がんへの新戦略として、悪玉男性ホルモン受容体V7(ヴイセブン)をつくる司令塔PSF(ピーエスエフ)とNONO(ノノ)をターゲットとした診断・治療を提唱しました。進行した難治性の前立腺がんでは、V7をはじめ異常なホルモン受容体が増加することが以前より注目されていましたが、今回、この悪性化の際にRNA結合タンパク質PSFとNONOが増加することによって、RNAの成熟とホルモン受容体の異常をきたすことを初めて明らかにしました。さらにこれらRNA結合タンパク質PSFとNONOが、がんの新しい診断、治療標的となりうることも証明しました。この研究成果は、前立腺がんの今後の治療法の開発や再発・難治化の病態解明に大きく貢献するものと期待されます。本研究は、日本医療研究開発機構(AMED)の「次世代がん医療創生研究事業 (P-CREATE)」の支援を受けて行われたものであり、米国科学アカデミー紀要「Proceedings of the National Academy of Sciences of USA(PNAS)」に掲載されるのに先立ち、9月11日の週にオンライン版に発表されます。

 

プレス発表資料

  • 2017.6.13更新
「健康長寿新ガイドラインを策定!」

 東京都健康長寿医療センター(理事長:井藤英喜)が長年にわたって積み重ねてきた健康長寿の疫学研究の成果を中心に、センター内外の専門家による議論・検討会を1年間積み重ね、ついに「健康長寿新ガイドライン」に集約しました。新ガイドラインは、以下の3部構成となっています。
1. 健康長寿のための12ヶ条:長寿社会を健やかに過ごすための暮らしの指針。普段から心がけていただきたい日常の過ごし方や健康管理の方法を12の指針にまとめました。
2. エビデンスブック:専門職・研究者の方々へ、健康長寿の新たなる根拠を集約したもの。自治体や地域で働く専門職、老年学・老年医学の研究者、教育者、学生に向けて、新ガイドラインの根拠を解説しました。
3. 各論パンフレット:12ヶ条のテーマに沿って、日々の実践ポイントを一般向けにやさしく解説。いつまでも元気に暮らしたいと願うすべてのシニアを応援します。12ヶ条のテーマに沿って、毎日の暮らしの目安を楽しく解説しました。
 健やかな長寿社会を持続するための新しい「処方箋」として、一般の高齢者の他、自治体や地域で働く専門職、老年学・老年医学の研究者、教育者、学生に活用いただけると考えます。

 

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