東京都介護予防推進支援センター

センター長挨拶

 健康寿命の延伸には心の健康が必要です。厚生労働省が発表している、男性9.13年、女性12.68年とされる不健康寿命は、健康上の理由で日常生活に影響があるかを尋ねる、主観的な健康観を基準にしています。一方、算定方法が違うので単純な比較はできませんが要介護2と認定されてからの期間は男性で1.74年、女性で3.71年(東京都福祉保健局)ときわめて短いのです。ですから、健康寿命の延伸には主観的な健康観、すなわち心の健康を延伸することが重要です。

 

 このような視点にたって、私たちの都市部高齢者の調査をあらためて分析してみると、都市部に在住している高齢者では身体的に問題がないのにもかかわらず、日常的に人との交流のない方が半数を超えています。これでは心の健康が損なわれても仕方ありません。何歳になっても自然に交流ができる通いの場が必要です。もちろん老年症候群(フレイルやロコモを含む)の抑制に取り組む介護予防も必要ですから、通いの場の中でこのような介護予防に取り組むことができれば一石二鳥です。

 

 この事から東京都では平成27年度より住民が主体となって取り組む「地域づくりによる介護予防」の普及に取り組んできました。地方での取り組みがモデルになっていましたので、取り組んでくださった自治体の皆様は不安でありましたが、何よりも住民の大きな力に助けられて、都市部においても地域づくりによる介護予防の花を咲かせることができました。地域づくりによる介護予防は、住民が主体となって行う事ですから、地域の実情の把握に始まり、どうやって住民のやる気(主体性)を引き出すのかなど、実施にあたってはいくつかの「壁」があります。東京都介護予防推進支援センターでは、東京都健康長寿医療センター研究所が培ってきた研究成果などとともに「地域づくり」につながる人材育成やアドバイザーの派遣、そして日常的な相談支援によって、東京都の全ての自治体が「地域づくりによる介護予防」に取り組めるようにご支援申し上げます。


平成29年4月
東京都介護予防推進支援センター長 大渕修一

 

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