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糖尿病・代謝・内分泌内科
診療科の概要と特徴
糖尿病・代謝・内分泌内科では糖尿病、低血糖、脂質異常症、骨粗鬆症、電解質異常、甲状腺疾患、その他の内分泌疾患の治療をします。
糖尿病学会専門医が5名(指導医4名)、内分泌学会専門医が2名(指導医1名)、老年病学会専門医が4名(指導医4名)、病態栄養学会専門医が1名おります。
高齢者の糖尿病の治療では、伝統があり、全国でも有数の施設の一つです。
- 方針1
チーム医療:医師だけでなく看護師、栄養士、薬剤師、検査技師などとチームを組んで、食事・運動・服薬・インスリン注射、血糖測定などの糖尿病の療養をサポートします。とくに運動指導、栄養相談、服薬指導などに力を入れています。糖尿病認定看護師1名、糖尿病療養指導士9名など専門的なスタッフが病棟・外来で活躍しています。
- 方針2
QOLの向上:個々の身体機能や認知機能、周囲のサポート状況などを総合的に評価して、治療の仕方や血糖コントロールの目標を個別に決めて、生活の質(QOL)の向上を重視した治療を行います。
- 方針3
高血糖の治療と低血糖の防止:高い血糖を約2〜3週間以内に良くするような日数が決まった入院もあります。糖尿病性昏睡の治療も行います。DPP-4阻害薬など低血糖が少ない内服薬を主として用いたり、腎臓などの機能(はたらき)によって内服薬の量を調整したりして、重症の低血糖を防ぐような治療をします。
- 方針4
柔軟性のあるインスリン治療:インスリン治療では、一時的に強化インスリン療法を行いますが、約8割の2型糖尿病患者では内服薬に戻すことができます。BOTと呼ばれる内服薬と1日1回注射のインスリン治療の組み合わせで治療することもあります。
- 方針5
他科との連携:眼科、腎臓内科、循環器内科、神経内科、血管外科、心臓外科、脳神経外科などと連携して、合併症の治療を行います。また、糖尿病認定看護師、皮膚・排泄ケア認定看護師のフットケア外来をサポートし、糖尿病の足の合併症である壊疽を防ぎます。
- 方針6
地域連携:板橋区医師会と糖尿病の地域連携パスを作っています。地域のかかりつけ医と当科の専門医とが2人主治医制となって、糖尿病の専門的治療を行います。
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診療科で取扱う疾患
- 糖尿病:2型糖尿病、1型糖尿病、その他の糖尿病
- 境界型耐糖能異常
- メタボリックシンドローム、肥満
- 低血糖:インスリノーマ、腫瘍性低血糖、薬剤性低血糖、内分泌疾患による低血糖、ダンピング症候群など
- 脂質異常症:高コレステロール血症、高中性脂肪血症
- 甲状腺疾患:甲状腺機能低下症、橋本病、甲状腺機能亢進症、バセドウ病、甲状腺腫瘍
- 副腎疾患:アジソン病、原発性アルドステロン症、クッシング症候群、副腎腫瘍
- 下垂体疾患:汎下垂体機能低下症、尿崩症、下垂体腫瘍
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診療スタッフ紹介
- 常勤医
井藤英喜センター長、荒木厚部長、森聖二郎部長、千葉優子副部長、田村嘉章、金原嘉之
- シニアレジデント
吉本彩子
- 非常勤医
服部明徳、浅海直
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部長・副部長紹介
荒木 厚(あらき・あつし)
糖尿病・代謝・内分泌内科部長
糖尿病という1つの病気を治すだけはなく、糖尿病の患者さんの高齢期のいろいろな問題の解決法を一緒に考えて、「一病息災」となることを願っています。
| 卒業年次 |
昭和58年 |
| 専門 |
糖尿病、老年医学、病態栄養、とくに高齢者の糖尿病治療 |
| 資格 |
- 糖尿病学会専門医、指導医、評議員
- 老年病学会専門医、指導医、代議員
- 病態栄養学会専門医、NSTコーディネーター、評議員
- 日本糖尿病合併症学会評議員
- 内科学会認定内科医、指導医
- 糖尿病協会療養指導医
|
森聖二郎(もり・せいじろう)
臨床研究推進センター部長
| 卒業年次 |
昭和58年 |
| 専門 |
内分泌代謝、糖尿病、骨粗鬆症 |
| 資格 |
- 日本老年医学会専門医・代議員・指導医
- 日本内科学会総合内科専門医・指導医
- 日本動脈硬化学会評議員
- 日本結合組織学会評議員
- 日本糖尿病学会専門医・指導医
|
千葉優子(ちば・ゆうこ)
糖尿病・代謝・内分泌内科副部長
元気で年を重ねていけるような糖尿病・代謝疾患の診療を目指しています。
| 専門 |
糖尿病、内分泌 |
| 資格 |
- 内分泌学会専門医、指導医
- 糖尿病学会専門医
- 内分泌学会専門医
|
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主な疾患の患者数と検査・手術・治療件数など
主要疾患と入院患者数(平成21年度)
| |
疾 患 名 |
延べ人数(人) |
| 1 |
糖尿病 |
294 |
| 2 |
甲状腺・副腎・下垂体疾患 |
15 |
| 3 |
低血糖 |
9 |
| 4 |
脂質異常症・肥満 |
5 |
| 5 |
その他(感染症・腎不全など) |
99 |
糖尿病の治療(平成21年度)
| 外来通院患者の平均 |
| HbA1c(グリコヘモグロビン) |
7.0% |
| 収縮期血圧 |
128mmHg |
| LDLコレステロール |
101mg/dl |
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疾患診療方針概要
糖尿病
- 糖尿病は血糖が高くなる病気で、放置すると、全身の臓器に合併症という余病をおこしてきます。
合併症は糖尿病に特徴的な目の合併症(網膜症)、腎臓の合併症(腎症)、足の合併症(神経障害)、動脈硬化の合併症である心疾患、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症があります。最近では、認知症や歯周病も糖尿病の合併症であるとされています。
- 検査は合併症の検査や血糖に関係した検査があります。
-
- 合併症の検査:糖尿病に特徴的な目、腎臓、足の合併症や動脈硬化の合併症(脳、心臓、下肢)を詳しく調べます。腹部CTによる腹部の内臓脂肪の測定やDXA法による骨密度や四肢の筋肉の量を測定することもできます。また、そのための日数が決まった入院もあります。入院の場合は尿を貯めて、体の中のインスリンの量を測定したり、微量のアルブミンという蛋白を測定したりします。
- 簡易血糖測定器による血糖測定:入院中は1日4回測定して、インスリンや内服薬の量の調整を行います。
外来でも、血糖自己測定(SMBG)といって、低血糖を防ぐためや自己管理をするために使用する人が増えています。インスリン治療の場合は、外来で簡易血糖測定器を貸出いたします。
- 持続血糖糖モニターの検査:おなかの皮膚の下に細くて痛くない針を入れて、48時間〜72時間持続して血糖を測定する持続血糖モニター(CGM)の器械が3台あり、夜間の低血糖や食後の高血糖がないかどうか調べることができます。
- 治療法は大きく分けて食事療法、運動療法、薬物療法の3つがあります。
-
- 運動療法:高齢者では運動療法がとくに大事です。歩行などの有酸素運動を食後に30分、1日1〜2回週5日以上が勧められます。腰や膝が痛くて歩行ができない場合は、運動の指導者のもとで、筋力トレーニング(レジスタンストレーニング)から始めるのが良いでしょう。運動の前後にストレッチを行うことは、運動後の痛みを防ぐためにも大切です。
- 食事療法:1)バランスのとれた食事をとること、2)個別に決められたエネルギーをとること、3)夜食などの誤った食習慣をしないことが大切です。食物繊維が多い野菜、キノコ、海草をとることをお勧めします。糖分の入った清涼飲料水(ジュース、缶コーヒー)を取ると著明な高血糖になりますので注意しましょう。詳細は栄養士と相談して下さい。
- 薬物療法:内服薬、インスリン注射、GLP-1受容体作動薬の注射があります。内服薬はDPP-4阻害薬、ビグアナイド薬、SU薬、グリニド薬、α-GI薬の6種類の違った作用を示す薬があります。体にあるインスリンの量や効き具合(抵抗性)、腎臓の機能、肝臓の状態、心臓などの合併症によって最もふさわしい薬を選びます。高齢者では低血糖症状がわかりにくく、重症になると意識障害をおこすことがあります。し
たがって、低血糖を防ぐために、内服薬を組み合わせて、SU薬をできるだけ減らすような治療をします。また、低血糖を防ぐための日常生活の注意点や低血糖の対処法について、看護師や薬剤師が指導いたします。
インスリン治療は1型糖尿病患者では生存に必要な治療です。多くの高齢者は2型糖尿病ですが、内服薬治療でHbA1cが8.0%以上になった場合には、強化インスリン療法という1日4回のインスリン療法を行うと、約8割は内服薬治療に戻せるだけでなく、糖尿病がリセットされて、血糖コントロールが良くなります。
GLP-1受容体作動薬はインスリンと違って単独では低血糖をおこさず、血糖を良くすることのできる注射です。体重を減らすことができる利点もあります。
- 合併症予防:糖尿病の合併症、とくに動脈硬化の合併症は血糖だけでなく、高血圧、脂質異常症、喫煙などが関係しています。したがって、血圧やLDL-コレステロールを良くすることや禁煙も大事です。また、抗血小板薬(血をさらさらにする薬)を服用することもあります。
- 患者会活動:創立35年になる糖尿病の患者会である育寿会ともに、外来での糖尿病教室、総会、バス旅行、運動教室を行って、スタッフと患者の交流を深めています。
- 内分泌疾患の治療:血液検査、甲状腺エコー、甲状腺生検などの検査で甲状腺の病気を診断し、治療します。
他、副腎、下垂体などの内分泌疾患の診療も行います。
