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血管再生治療

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※血管再生治療の先進医療は、現在中止しております。なお、再開時期は未定です。

血管再生治療

東京都健康長寿医療センターは高齢者の先進医療の血管再生治療を始めています。

当センターでは平成16年8月より足の動脈が細くなり歩いて数分でふくらはぎが痛くなったり(間欠性跛行かんけつせいはこう)、安静にしていても痛くなったり(安静時痛)、更に進んだ重症では潰瘍や小さな壊疽(えそ)に至る下肢の血管の疾患(閉塞性動脈硬化症ASO)に対して、先進医療の血管再生治療が開始されました。

当センターでの血管再生治療は高齢者を対象としますので、安全で痛くない新しい工夫(末梢血単核球移植法)をしています。有効率は約80%で、この高齢者の治療成績をもとに東京社会保険事務局に先進医療として届出を行い、平成19年10月1日に厚生労働省により先進医療として受理されました。

高齢者のASOの発症率は7人/1000人/年とされ、社会の高齢化、糖尿病の増加とともにASOは今後ますます増加するとされています。また、ASOによる足の壊疽で下肢の切断を行った場合1年後の死亡率は45%で予後の悪い疾患です。東京都健康長寿医療センターでは高齢者の先進医療として血管再生治療を積極的に進めています。

これまでの閉塞性動脈硬化症 (ASO)の治療

内科の内服による治療でも改善がなく、また外科でのカテーテルで血管をひろげたり、血管をつないだり(バイパス手術)しても、効果のない場合は足の切断が行われます。しかし、切断しても生存率は低く、特に高齢者では半年で約半分の生存という報告です。また、高齢者では若い人に比べ全身麻酔や手術そのものが危険となる場合が多くなります。血管再生治療はこのような高齢者の治療としても有効であるばかりでなく危険性も少なくなります。

※再生医療とは
再生治療は、傷んだ臓器や組織すなわち血管や心臓、肝臓、神経などを、細胞や遺伝子を使って文字どおり再生させる治療で、これまでのお薬や外科の治療では出来なかった病気への全く新しい高度専門医療です。
細胞による再生治療には臓器や組織のもととなる細胞が使われます。このような細胞は幹細胞といわれ、各臓器や組織の中にあるとされていましたが、最近、幹細胞が骨の骨髄の中にもあることが明らかにされました。

※現在一般に行われている血管再生治療
今一般に行われている血管再生治療は骨髄法です。骨髄には赤血球や白血球など血液細胞のもととなる幹細胞とともに、血液細胞以外の幹細胞があることが分かってきました。その中でも特に、血管のもとになる内皮前駆細胞(EPC)がはじめ末梢血の中で見つけられ、それが骨髄から出てきたものと分かりました。従来は血管の傷ついた部分は周りの血管の内皮細胞が修復すると考えられていましたが、骨髄から出てきたEPCが接着して、血管の修復をしていることも分かりました。このEPCを使って、足の動脈硬化の治療が行われ始めました。 EPCは自分の細胞(自家移植)であり、ES 細胞や臍帯血細胞を用いた血管再生治療(他家移植)と異なり、アレルギー反応はありません。高齢者でも安全で、治療効果の高い方法であることを示しています。

当センターでの血管再生治療の特徴

当センターでの治療は高齢者を対象としますので、新しい工夫をしています。これは高齢者は全身の動脈硬化がみられますが、ASO患者では更に糖尿病、高血圧、狭心症、心筋梗塞や脳梗塞を合併することが多いからです。

  • EPCは静脈血(末梢血法)より集めて採取します。これを更に濃縮し、虚血肢(症状のある足)に移植します。麻酔は腰椎麻酔(局所麻酔)であり、高齢者に安全です。EPCを骨髄から採取する骨髄法は全身麻酔を行い、採血量が600mlと多く、高齢者には侵襲が強く不向きです。
  • また、末梢血のEPCをたくさん採取するため白血球を増加させる薬(G-CSF)を使いますが、当センターの場合G-CSFを使いません。ASOの高齢者に脳梗塞や心筋梗塞を誘発することがあるからです。

血管再生治療の症例は院内の「血管再生治療委員会」で承認され、その効果が検討されます。これは新しい治療法でまだ未知の部分があるからです。腎臓内科や外科など多くの専門科の協力のもとで行っています。

これまでASOの33例の血管再生治療を行い、下肢の潰瘍・小さな壊疽、安静時痛の重症例に対し有効率は約80%でした(平成27年4月現在)。

また、高齢者では間欠性跛行や安静時痛で、歩行ができなくなる場合足の筋肉の萎縮が進み、全身の活動度の低下が認められることがあります。血管再生治療はこのような高齢者の足の治療としても有効であるばかりでなく、歩行が可能となり活動度の向上を示しています。

治療経過

治療前
治療前

2ヶ月後
1ヶ月後

治療後
治療後

当センターの血管再生治療のお問い合わせ

  • 適応の疾患
    閉塞性動脈硬化症、バージャー病
  • 入院期間、費用
    先進医療にかかる費用は健康保険が適用されず、 自己負担となります(標準的な場合、2回分の移植で431,000円)。先進医療以外の通常の治療にかかる費用は健康保険が適用されます。4週間の入院で自己負担額は約70万円 が目安です(自己負担額が3割の場合)。

お問い合せ先

医療サービス推進課 患者サービス向上係
電話番号:03-3964-1141

さらに詳しい情報を知りたい方は血管再生治療についてのFAQ

担当医師

血管外科部長 中澤 達 なかざわ たつ

卒業年次 平成3年
専門 血管外科・血管内治療(カテーテル治療)
資格 外科指導医・専門医
脈管学会評議員・専門医
大動脈瘤ステントグラフト指導医
静脈瘤レーザー治療指導医
北里大学医学部 特任准教授
東京大学医学部 臨床指導医 血管外科非常勤講師

循環器内科専門部長,救急診療部長 坪光 雄介 つぼこう ゆうすけ

卒業年次 平成5年
専門 冠動脈インターベンション、閉塞性動脈硬化症に対する血管再生医療、心不全
担当外来/担当診療科 循環器内科/救急外来
資格 循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会専門医
内科学会認定内科医

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