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ボツリヌス外来

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当院リハビリテーション科では『ボツリヌス外来』にてボツリヌス療法を行っています。対象は主に脳血管障害後遺症や成人脳性麻痺の痙縮、痙性斜頚です。

手足のつっぱり(痙縮 けいしゅく)とは

脳卒中の後遺症のひとつに手足のつっぱり(痙縮;けいしゅく)があります。痙縮とは、筋肉が緊張しすぎて、かたく動かしにくくなったり、勝手に望まない方向に動いてしまう状態のことです。麻痺になった側の手足に起こりやすく、次のような症状がよく見られます。

  • 手の指が握ったまま開かない
  • 肘や手首が曲がったまま伸びない
  • 膝が曲がったまま伸びない
  • 踵が着かず、つま先立ちになる
  • 足首が内側に向いてしまう

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痙縮の治療

ボツリヌス療法の他に、内服薬、フェノールブロック療法、外科的療法、バクロフェン髄注療法、脳深部刺激療法などがあります。

  • 内服薬:治療したい筋肉だけでなく全身に影響します
  • フェノールブロック療法:筋肉を支配する神経を薬剤で破壊します、元に戻らなくなります
  • 外科的療法:腱延長や腱移行など、全身状態が悪いと手術できません
  • バクロフェン髄注療法:体内に薬を注入するポンプを植え込みます、異物を体内に埋め込むので感染のリスクがあります
  • 脳深部刺激療法:脳に電極を埋め込んで外から刺激します、感染のリスクがあります

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脳性麻痺

脳性麻痺とは母親のおなかの中にいる時から生後4週までの間に何らかの原因で脳に損傷を受けたことで起こる運動・姿勢の障害です。痙直型、アテトーゼ型、失調型、混合型などのタイプに分けられます。痙直型では筋肉の緊張が高くなりすぎて手足が動かしにくくなり、アテトーゼ型では手足や体が勝手に動いてしまうという症状が特徴的です。このため体を動かしにくくなったり、楽な姿勢を取りづらかったりし、体や手足に負担がかかり痛みでたりします。脳病変そのものを治すことはできませんが、痙縮を抑えることで、動きやすくしたり、姿勢をよくしたり、関節変形を防いだりするための治療は可能です。

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痙性斜頚

痙性斜頚は、首の周囲の筋肉が自分の意思に関係なく収縮し、頭、首、肩などが不自然な姿勢になったり、強い痛みが出たりする病気です。なぜ起こるのかはまだはっきりとはわかっていませんが、姿勢を維持するプログラムに何らかの異常が起こると考えられています。遺伝、薬物、脳性麻痺などの病気などが原因の場合もありますが、多くははっきりした原因がなく発症します。またストレスや疲労などが影響するといわれています。日本では女性に多く、30から40歳代が多いといわれています。痛みや姿勢の異常などで日常生活に支障がある場合に治療を考えます。

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ボツリヌス療法とは

ボツリヌス療法では、ボツリヌス菌(食中毒の原因菌)が作り出す天然のたんぱく質「ボツリヌス毒素」を有効成分とする薬を使います。薬を筋肉に注射することで、筋肉につながる神経の働きを抑えて筋肉の緊張をやわらげることができます。
脳卒中後の手足のつっぱり(痙縮)をはじめ、脳性麻痺の痙縮、痙性斜頚の方に、この薬を注射することで、次のようなことが期待できます。

  • 関節が固まるのを防ぐ
  • 介護の負担が軽くなる
  • 手足の関節が動かしやすくなり、日常生活がしやすくなる
  • リハビリテーションがしやすくなる
  • 痙縮による痛みがやわらぐ
  • よい姿勢に近づけることで、歩きやすくなったり、座りやすくなったりする

ボツリヌス療法によって筋肉の緊張がやわらいでも、効果を得るためにはリハビリテーションが必要です。ボツリヌス療法とリハビリテーションを合わせて行うことをお勧めします。

注射の効果は通常3-4ヵ月ぐらいで切れてきます。再び効果を得るためには、繰り返し注射することになります。ただし効果が続く期間には個人差があるので、医師と相談しながら次の計画を立てていきます。
数ヶ月で薬が切れるメリットもあります。効果が強すぎたり弱すぎたりした場合に、次の治療の時に評価しながら、より効果的な投与量や投与部位を検討し直すことができます。

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よくある質問

  • 食中毒にはなりませんか?
    →ボツリヌス菌そのものを注射するわけではないので、感染する危険性はありません。
  • 誰でも注射できるのですか?
    →全身性の筋力の脱力を起こす病気(重症筋無力症、ランバート・イートン症候群、筋萎縮性側索硬化症など)の方では、病気が悪くなる可能性があるため使えません。
    →この薬にアレルギーがある方、妊娠中の方も使えません。
  • 副作用はあるのですか?
    →筋肉の緊張がやわらぐため、姿勢が変わったり、転びやすくなったりすることがあります。
  • 公的な医療保険が適用されますか?
    →自費診療ではなく、公的医療保険が適用されます。
    →身体者障害者手帳、高額療養費制度、重度障害者医療費助成制度などが使える場合もありますので、詳しくはお住まいの自治体にお問い合わせください。

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当科の特徴

  • 毎回注射前に、理学療法士/作業療法士と協力し詳細な評価を行い、効果的な投与部位や投与量の検討を行います。
  • 必要があれば投与前にリハビリを行います。
  • 投与後も約1ヵ月間のリハビリを行い、より注射の効果を高めるようにしています。
  • 主に外来治療で行いますが、通院困難な方や下肢初回の場合は短期入院での注射とリハビリを行うこともあります。
  • 筋緊張が変化すると装具の適合も変化することが多く、義肢装具士と連携して装具の調整を合わせて行います。
  • 当科では小児の治療は行っていません。

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治療スケジュール例

ボツリヌス外来 火曜日午後

お問い合わせ 03-3964-1141
(病院窓口→リハビリテーション科受付を呼出)

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担当医師

リハビリテーション科部長 金丸 晶子 かねまる あきこ

卒業年次 昭和61年
専門 内科一般
担当外来/担当診療科 リハビリテーション科
資格 日本リハビリテーション医学会認定臨床医
リハビリテーション科専門医
日本リハビリテーション医学会指導責任者
コメント リハビリテーションが必要になられた方に、少しでも笑顔が増えるようなアプローチを心がけています。様々な疾患による廃用症候群、合併症(心疾患・肺疾患・膠原病・外科疾患など)の多い方のリハビリテーションと向き合っています。整形外科疾患については、整形外科と共同してアプローチを行っています。

常勤医 正田 奈緒子 しょうだ なおこ

資格 リハビリテーション科専門医
日本整形外科学会専門医
義肢装具等適合判定医

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