福山型先天性筋ジストロフィー症の原因を解明

東京都健康長寿医療センターの遠藤玉夫副所長、神戸大学大学院医学研究科の戸田達史教授、大阪府立母子保健総合医療センターの和田芳直研究所長らの共同研究グループは、厚生労働省指定難病である「福山型先天性筋ジストロフィー症と類縁疾患」の原因となる3つの遺伝子(fukutin, FKRP, ISPD)の機能を解明し、発症のメカニズムを明らかにしました。

今回、fukutinとFKRPが糖鎖をつくる糖転移酵素であること、ISPDはその糖鎖合成の材料(CDP-リビトール)をつくる酵素であることを明らかにしました。これら3つの酵素は協力して、脳と筋肉の発達や機能に必要な糖鎖の合成に関わることが分かり、これまで部分的にしか分かっていなかった糖鎖構造の全容を明らかにすることができました。本研究により、福山型を始めとする全ての先天性筋ジストロフィー症の研究の飛躍的な進歩が期待されます。

また、CDP-リビトールの不足が筋ジストロフィー症の一因となることが分かったので、ゲノム編集技術を使って筋ジストロフィー症の特徴を持つ疾患モデル細胞をつくり、CDP-リビトール投与の効果を調べました。その結果、糖鎖異常が回復することを確認しCDP-リビトール投与療法という新たな治療法の有効性を示すことに成功しました。

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