化学療法科

午前 宮本
宮本・橘

宮本・橘
宮本【初】
午後




特徴

化学療法科では血液の悪性疾患のうち、悪性リンパ腫や多発性骨髄腫を中心として診療にあたっています。ともに高齢化社会を迎え、近年罹患者数が増加している疾患です。当院の性質上、当科では高齢者の患者様が多くなっていますが、受診される患者様に年齢制限は設けておらず若年者の患者様にも対応させていただきます。入院に当たってはクリーンルーム10床を準備して診療を行っています。現在は3名の血液専門医が所属し、入院中の患者様だけではなく、外来通院中の患者様についても毎週開催されるカンファレンスで治療方針を検討しています。

現時点では、上記疾患を中心として年間に、のべ約300人の方々に外来治療を行っています。

外来医師配置表

疾患診療方針概要

  • 悪性リンパ腫

    悪性リンパ腫は血液の成分でリンパ球(白血球の一種)という成分が腫瘍化した("がん"になった)疾患です。高齢者で罹患率は高くなり、近年増加傾向を呈し、10万人当たり20人程度発症するといわれています(図1)。

    現在のWHO分類では70種類程に分類されており、その病型や発生部位によって治療が異なってきますが、治療の中心は化学療法となります。悪性リンパ腫に対しては新しい薬剤が数多く登場しています。B細胞リンパ腫に対してはリツキサン、ガザイバ、トレアキシン、T細胞リンパ腫に対してはポテリジオ、ムンデシン、ジフォルタ、イストダック、ホジキンリンパ腫に対してはアドセトリス、オプジーボ、キイトルーダといった薬剤が使用できるようになり、徐々に治療成績も改善してきています(図2)。

    最近では、悪性リンパ腫に対する化学療法は外来での治療が中心となっています。そのような治療の場合では1回目の治療は副作用観察のため基本的に入院となりますが、以降は可能であれば外来での治療となります。自家末梢血幹細胞移植が必要な患者様には当科にて治療させていただき、同種移植が必要な患者様は血液内科と連携して治療を進めていきます。放射線治療が必要な患者様に対しては放射線治療科と連携して治療にあたります。

    図1.悪性リンパ腫の年齢別罹患率年次推移

(国立がん研究センターがん情報サービス『がん登録・統計』より引用)図1.png

図2. 悪性リンパ腫5年相対生存率年次推移

(国立がん研究センターがん情報サービス『がん登録・統計』より引用)図2.png

  • 多発性骨髄腫

    多発性骨髄腫は血液の成分で形質細胞(白血球の一種)という成分が腫瘍化した疾患です。多発性骨髄腫も近年の高齢化に伴い患者さんの数は増加傾向にあります(図3)。症状としては骨髄でがん細胞が増えた結果、病的骨折や骨痛が認められます。それ以外にも貧血、腎機能障害、高カルシウム血症や免疫力低下による感染症などが起こります。一般的には慢性の経過をたどりますが、まれに急激な進行を呈する場合もあり、症状については個人差が大きくなっています。

    治療の中心はやはり化学療法となります。現在のところ根治療法といえるような標準治療は開発されていませんが、急速に治療成績が向上してきている疾患です(図4)。それには新規薬剤の登場によるところが大きいと考えられます。ここ数年で、プロテアソーム阻害剤といわれるベルケイド、カイプロリス、ニンラーロ、免疫調節薬のレブラミド、ポマリスト、抗体薬であるエンプリシティ、ダラザレックスといった薬剤が順次使用できるようになりました。今後も新規薬剤が保険承認されていく見込みであり、更なる治療成績の向上が期待されています。

    多発性骨髄腫においても化学療法は外来での治療が中心となっています。1回目の治療は副作用観察のため基本的に入院となりますが、以降は可能であれば外来での治療となります。

    図3.多発性骨髄腫の年齢別罹患率年次推移

(国立がん研究センターがん情報サービス『がん登録・統計』より引用)図3.jpg

図4.多発性骨髄腫の生存率の推移図4.png

主な対象疾患(治療実績)

悪性リンパ腫、白血病、骨髄腫などの血液悪性疾患、および外科、泌尿器科、膠原病・リウマチ科など各科の患者さんが通院されています。

スタッフ紹介

化学療法科部長

宮本 鋼

みやもと こう

出身大学聖マリアンナ医科大学
卒業年次平成3年
専門血液悪性腫瘍、特に悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などのリンパ球系悪性腫瘍
担当外来/担当診療科化学療法科/血液内科
資格日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本血液学会血液専門医・指導医
がん治療認定医機構がん治療認定医
日本老年病医学会認定老年病専門医
コメントリンパ球系悪性腫瘍を中心に血液疾患全般を拝見しております。エビデンスに基づき、かつ個々の患者さんの状態に合わせた治療を心がけています。いわゆる「がん難民」が発生しない様に、シームレスな治療を目指し当センター各科および他院専門科との連携に力を入れています。 御紹介状を御持ちの上、ご来院頂ければ幸甚です。血液疾患以外の方は、まず、それぞれの専門科を受診して下さい。
常勤医
  • 橘 盛昭(たちばな もりあき)