老化機構研究チーム システム加齢医学の久保田優希(連携大学院生)が日本薬学会第145年会にて学生優秀発表賞(ポスター発表)を受賞しました。
ビタミンK依存性γカルボキシラーゼに近接するタンパク質の包括的な同定法(Comprehensive identification of proteins proximal to the vitamin K-dependent γ-carboxylase )
老化機構研究チーム システム加齢医学 久保田優希(連携大学院生)
ビタミンK依存性γカルボキシラーゼ(GGCX)は、ビタミンKを補因子としてビタミンK依存性タンパク質(VKDP)を活性化する酵素です。私たちも含めた複数のグループの研究から、ビタミンKおよびGGCXが血液や骨をはじめとする様々な組織の健康や疾患に重要であり、高齢者のフレイル・認知症などとも関連することが明らかになりつつあります。しかし、GGCXの機能を調節するタンパク質(共役因子)やVKDPの解析は十分に進んでおらず、GGCXの作用メカニズムには解明されていないことが依然として多くあります。そこで本研究では老化機構研究チーム プロテオームテーマの川上研究員、三浦研究部長と連携し、新たな共役因子およびVKDPの探索を目指して、GGCXに近接するタンパク質を包括的に探索する手法の検討を行いました。GGCXに近接するタンパク質を包括的に探索するためにビオチン標識法を検討したところ、近接タンパク質を特異的に検出することに成功しました。さらに、得られた標識タンパク質を質量分析により包括的に解析する手法を確立しました。今後、確立した手法を活用して、GGCXに近接するタンパク質の包括的な探索を進め、GGCXの新しい作用メカニズムを解明することにより、ビタミンK関連疾患に対する予防・治療法の開発と高齢者の健康増進への応用につなげていくことを目指しています。
久保田連携大学院生
賞状