進んだ状態での生活指導
#中等度以上の認知症で、排泄、整容、着衣など介助が必要になった場合
排泄の失敗は、本人、家族にとって一番ショックである。
軽いうちにどのくらい進んだ場合に起きてくるかあらかじめ伝えておく(図参照)。
これによって少なくとも家族の心構えは違ってくる。本人には「85歳以上では二人に一人は時に漏らすのが普通です」という事実を伝え、自分だけが情けないということではないと知ってもらう。慰めにもならないが少しは心は軽くなるようだ。
整容、入浴など介護保険のデイサービスで利用できれば口やかましく言って、口論になることも減る。サービス利用して帰った時には、「綺麗になったねとか、男前になった」とか褒めることも忘れずに。
#高度の認知症の場合
残っている強み、魅力に目を向ける。長谷川式簡易知能スケールで5点以下になっても、好きだった碁や将棋、習字、絵描き、切り絵、歌など残っている場合がほとんどである。そこを興味の中心にするように指導する。
トイレを風呂でやったり、廊下にしたりすることも起きてくる。腹立たしいことも多いことはわかることは家人だけに伝え、赤ん坊帰りしていくこと、このような状態はそれほど長く続かないこと、施設サービスの利用も十分情報提供する。 施設でのリハビリは元気にまた穏やかになることがある。