長寿の俗説(その5)
早起きは長生き(三文の得)
答え ??
6時以前に起きている人は、心筋梗塞や脳卒中などの循環器疾患の発症リスクが4割、糖尿病やうつ病2~3割高いという報告もあります。
国立長寿医療研究センターの縦断研究では7時間睡眠を取れば、早寝も、遅寝も寿命に関連しません。
2024年にフィンランド成人23,854人を対象に6年半追跡調査した結果、夜型の人では約1割死亡率が高かったです。しかしこれは夜型の人に酒やタバコの嗜好率が高いことにより、睡眠パターンだけでは死亡に影響なしと結論づけています。
英語では、朝型のタイプを"Morningness" と言いますが、2024年に英国のバイオバンク登録39万人のデータによれば、健康寿命に睡眠の分析では、7~8時間の睡眠(7%プラス、朝型(早起き)5%プラス、昼寝7%プラス、寝起きが良い9%プラス、不眠と無縁6%プラスであり、早起きで寝起きがよければ、健康寿命に良いようです。しかし健康だからこそ、良眠で、寝起きがいいともいえ、双方向の因果関係がありそうです。
加齢とともに、寝つきや気持ちの良い寝起きが妨げられる体の因子があります。
暗くなると増加し、明るくなると減少する「メラトニン分泌」、下がると睡眠を惹起し、上がると目を覚ませと働くコーチゾルや体温など子供や若者に比べ変化が弱くなっていきます(図)。少しでもこれらを補うために、寝るときは暗く、朝は光が入るような工夫や、風呂に遅く入って、体温の低下を利用した良眠、朝のベッド内でのストレッチなどを活用しましょう。