長寿の俗説(その6)
左利きは短命?
? 左利きは2年短命(Coren and Halpern: Psychol Bull 1991)
野球選手のコホートで左利きが8ヶ月長命(RA Hicks: Percept Mot Skills 1994)
1993年、英国のクリケット一流選手3,165名の利き腕と、寿命の関連を調べた研究では、右利きが65.6歳、左利きは63.5歳と有意に(p=0.006)左利きは短命でした(Aggleton JP:J Epidemiol Community Health 1993)。
最近では認知症との関連で、非優位半球の使用によって、認知予備能に有利との見解もあります。
1986年のワールドカップで、マラドーナが反則の「左手でゴールを決める」ハンドが、反則に取られず「神の手」と伝説になって以来、左利きに関する注目が集まりました。
利き手の決定には、40以上の遺伝子が関与していますが、一卵性双生児でも利き手の一致率は8割にとどまります。子宮の中での栄養獲得には右手が有利で、右手運動が多いことも、右利きが多い一因と考えられています。
右利きに関与するのは、左半球の脳ですが、右脳より発達が遅れ、遺伝の影響や、脳内のホルモン環境、出産前の感染、日照不足なども影響すると考えられ、実際左利きは春から初夏の誕生日の人に多いことがわかっています。
左利きの人は周産期ストレスとのつながりが指摘され、新生児の健康状態も低めのこともあります。思春期の遅れや、低身長なども報告されています。
利き手と言葉の関係は、何百万年前から、身振りから言葉に移行した経緯から密接な関係があると考えられています(Gutwinski S: Dtsch Arztebl Int, 2011)。
左利きの人は、社会的に、認知機能(アイデア)、芸術センス(創造性)、会話力(言語機能)などで有利な側面が発揮できるとも考えられています。