第64話 長寿の俗説(その7)

長寿の俗説(その7)

 高身長は短命?

▲短命な傾向があるが、必ずしもそうではない

 1992年、数百名のカリフォルニアの研究で、身長175cm以上と以下で比べると、小さい方が5年弱長生きという報告がありました(Samaras: Bull World Health Organ. 1992)。 日本人を祖先にもつアメリカ人8,000人を調査した研究では、身長と死亡率は正の相関(危険率1.007)と有意でした。この身長に関連する遺伝子FOXO3も同定されました(PLos One 2014)。さらにバスケットボール選手で特に高身長の選手の寿命は短く(PLos One 2017)、高身長のリスクが叫ばれていました。
 しかし、思春期の低身長は糖尿病のリスクを高める論文(PLos One 2015)や高身長の人は心疾患にかかりにくい(Krieg S: Eur J Med Res 2022)など百家争鳴状態でした。
 ポーランドの2004年から2008年に死亡した85万人の研究では、男女とも高身長の方が短命でした(M:p=0,023. F: p=0,022)。しかし男女ともr=-0.004程度の弱い相関であり、「高身長の方が長生きに有利とは言えない」という程度でした(Chmieleski PP: Folia Morphol 2024)。背の高さは、あまり気にしないでよさそうです。
 靴の大きさで健康寿命が左右されるという情報もありますが、まだ検証は不十分です。
「バカの大足、間抜けの小足、中途半端なろくでなし」にあるように、足の大きさも人それぞれで健康には大きな関係は今のところないようです。