骨粗鬆症(こつそしょうしょう)

代表的な症状

  • 骨粗鬆症性骨折
  • 脊椎圧迫骨折
  • 大腿骨近位部骨折
  • 橈骨遠位端骨折  

など

疾患概要

骨密度が低下して、骨の質がわるくなることで骨の強度が低下し、骨折のリスクが高くなる疾患です。
原発性骨粗鬆症という、女性の閉経後に女性ホルモンの低下によっておきる閉経後骨粗鬆症と、70歳くらいからの加齢性骨粗鬆症があります。
それ以外に、続発性骨粗鬆症という糖尿病、腎不全、内分泌疾患、膠原病、肺疾患やステロイドの内服、また悪性腫瘍に対するホルモン療法に続いて起こるものもあります。 

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原因・症状

骨粗鬆症は、骨折を生じない限り痛みを感じるケースはほとんどないといわれていて、自覚しにくい病気です。
骨折は、すべての年齢において生じる疾患ですが、骨粗鬆症性の骨折は、立位、座位からの転倒など、より軽微な外傷によって骨折が生じます。介護、看護の際にもおむつ替えでも大腿骨近位部骨折が生じることもあります。
骨粗鬆症性の脊椎圧迫骨折は、いつのまにか骨折といわれるように、痛みがなかったり、軽度な痛みで、日常生活で気づかないうちに骨折していることがあります。腰痛、背部痛が持続したり、身長が低下したり、背中が丸くなってきたということで、レントゲンを撮ってみたら骨折が判明したということもあります。
骨粗鬆症性の骨折は、一つ骨折を起こすと、つづけて骨折を起こす可能性が高くなります。骨折を起こすと、疼痛や変形にともない日常生活に支障が生じます。次の骨折を起こさないために、骨粗鬆症の治療介入が必要になります。

検査

脊椎や骨盤のレントゲン検査で脆弱性骨折の有無を確認します。
DEXA法という、X線骨密度測定装置を使い、外からは見えない骨の状態を確認する検査で骨密度を測定します。
血液検査、尿検査で骨の吸収、形成の状態や、骨の材料になるCa(カルシム)、P(リン)や骨の代謝にかかわるVitDの量を測定します。

治療

骨粗鬆症治療薬は、骨吸収抑制薬といわれる骨を作ったり壊したりするリズムを抑える薬や、骨形成促進薬という骨を作るように刺激する薬があります。
骨粗鬆症の状態に応じて薬を使い分けていくことになります。
これ以外にも、活性型VitD製剤とよばれる薬は、骨の材料になるCaを腸管からの吸収を促進して、骨に作用して効率よく蓄積して、骨の石灰化を促進します。

予防

骨粗鬆症は骨粗鬆症治療薬を内服するだけではなく、バランスのいい食事と、適度な運動、日に当たることが必要になります。
食事により、筋肉となるたんぱく質や骨となるカルシム、VitDを摂取して、運動することで骨に刺激を与えて、日に当たることで皮膚でのVitDを作ることができます。
運動することで筋肉量が維持し、転倒しにくい状態を作ることも必要です。
骨折をきっかけに骨粗鬆症の治療を始めることもありますが、定期的に検査して、骨折が起きる前に治療を開始して、骨折のリスクを下げていくことも重要です。

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