初期臨床研修医を目指す学生へ

1.病院の特徴

高齢者医療と老年医学・老年学研究

 東京都健康長寿医療センターの前身は1972年に開設され、養育院病院、東京都老人医療センターを経て、2009年に地方独立行政法人として現在の名称となり、一貫してわが国の高齢者医療をリードしてきた病院です。また、同じ建物にある研究所(前身は東京都老人総合研究所)と協力し、老年学・老年医学の研究にも多くの成果を生んできました。その結果、全国の高齢者医療、老年学・老年医学の研究を志す多くの優秀な人材が集まり、切磋琢磨し研鑽した医師は、全国の種々の大学、病院、診療所で、高齢者医療や老年学・老年医学研究の指導者として活躍しています。 

重点医療と診療体制

 高齢者医療の中でも、心血管病(生活習慣病)、がん医療、認知症、救急医療の4つの柱を重点医療として全力で取り組んでいます。さらに、高齢者に多発する骨関節疾患、腎疾患、肺疾患、感覚器疾患などに対しても十分な医療ができる体制です。
 内科系は14科、外科系11科に分かれ、その他、救急診療部、放射線科、リハビリーテーション科、麻酔科など中央診療部門の科があります。内科は専門領域別に細分化されていますが、高齢者診療科・総合内科もあります。
 550床の病床でICU、SCU、包括ケア病床もあります。常勤医師120名前後、初期研修医21名、専攻医(後期研修医)約30名で診療を行っています。

研究所における研究

 自然科学系では、6つの研究チームに分かれ、基礎老化学、老年医学、神経病理学、神経学、がん病理学、核医学、神経科学、分子生物学、糖鎖生化学、蛋白生化学などを専門とする研究員が老化のメカニズムの解明と老年病やサルコペニアなどの老年症候群の克服に向けて研究を推進しています。また、高齢者ブレインバンクや高齢者バイオリソースセンターにより、日本の研究の発展にも貢献しています。
 社会科学系は、社会参加と地域保健、自立促進と精神保健、福祉と生活ケアという3つの研究チームに分かれ、医学、体育学、栄養学、心理学、リハビリテーション学、看護学、認知科学などの研究員で、5つ以上の長期縦断研究を含む調査により、高齢者の医療・介護・社会システムの向上に役立つような研究を行っています
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当センターの高齢者医療の特徴

 高齢者の特徴は、①多くの疾患を有している(multimorbidity)、②認知機能障害、フレイル、うつ状態、転倒、低栄養、ポリファーマシーなどの老年症候群(geriatric syndrome)を伴うことが多い、③周囲のサポートや居住環境などの社会的状況が疾患の治療に大きな影響を及ぼすことなどがあります。
 したがって、高齢者医療では、疾患の診断のみでなく、認知機能、ADL、心理、栄養、薬剤、社会的状況を包括的に評価する高齢者総合機能評価(CGA; comprehensive geriatric assessment)が重要となります。また、入院前を含めた退院支援において、疾患の治療だけでなく、CGAに基づいた認知症やフレイルの予防対策や転倒、低栄養、ポリファーマシーなどの老年症候群の対策を講じることが、在宅での生活機能の維持・向上のために大切となってきます。さらに、高齢者が住みなれた地域で安心して療養生活を送る地域包括ケアの役割として地域の医師や介護のスタッフとの多職種連携が重要な鍵を握ることになります。
 したがって、当センターでの研修では、単に疾患の治療だけでなく、CGA、老年症候群対策、退院支援などの高齢者医療の独特の手法を経験し、超高齢社会における医療の実践のために必須なスキルをも身に着けることができます。

2.当センターの研修の特徴

研修の目標

多くの疾患や心身機能低下を有した高齢者も含む診療を行うことで、プライマリーケアの能力を身につけ、多くの発表の機会により、臨床推論プロセスの能力を磨き、
最新の医学に基づいた医療を行う習慣を習得する。

研修の特徴
1.多くの指導医(内科指導医約50名、外科系指導医約40名)の指導のもとに、担当医として患者を受け持ち、「臨床研修の到達目標について(厚生労働省)」に準じて研修を行い、
担当医として必要な態度、技能、知識を修得します。
2.内科系を選択した場合は内科のすべての領域をローテーションすることで幅広い領域の基本的な知識と技能を習得します。
3.病棟における退院支援カンファレンスなどに参加しながら、他の職種と協力しチーム医療を行い、医師として基本的な態度を身につけます。
4.救急外来(週1回)と当直(月3回前後)を指導医、上席医の3人体制で行い、2次救急医療の基本的な知識と技能を習得します。
5.CC(臨床カンファレンス)(週1回開催)での発表(少なくとも年3回)を通して臨床推論プロセスの能力、およびプレゼンテーション能力を高めます。
6.CPC(臨床病理検討会)(2~3週に1回)に参加し、2年間を通してCPC1症例の発表を行うことで病理によって臨床をふりかえることの大切さを学びます。
7.病院の医師として必要な研修(医療安全、感染、緩和など)や会議(医師の会)に参加します。
8.適切な時間管理や周囲との良好な人間関係を保つことにより心身の健康に留意しながら研修を行います。
9.自己研鑽として常に症例に関する最新の医学について学習することを心掛け、1回学会に参加し、年1回の学会発表を経験します。
10.小児科、産婦人科、地域医療の研修は、研修協力病院、研修協力施設)で行います。

5.CC発表資料イメージ                               6.CPC参加イメージ   
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3.給与・福利厚生など

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宿舎外観                        宿舎内観
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4.Q&A

Q研修医の1日はどのようなスケジュールですか?
出勤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今日も1日頑張りましょう!
・モーニングカンファレンス(夜間当直帯の入院症例について検討する会)
・ 病棟業務・外来診療・検査など
・ 昼休憩・お昼のクルグス(専門医より臨床を行う上でためになる内容の講義 (毎火・水曜)
・ 病棟業務・外来診療・検査など
・ 各診療科カンファレンス
・ CC・CPCなどの症例検討会(毎木曜)
退勤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お疲れ様でした!

Q研修プログラムはどのようになっていますか?
・1年目は主として内科系の診療科を2か月ごとにローテーションし、2年間ですべての内科系診療科を経験します。
・必須科目として外科、麻酔科、精神科も回ります。大塚病院または豊島病院で小児科、大塚病院または帝京大学附属病院で産婦人科を1か月間研修します。帝京大学附属病院で3次救急を研修することができます。
 地域医療は板橋区の医師会のクリニックでの研修になります。
・外来研修は並行研修で総合内科または高齢診療科の外来で週1コマを10か月間研修します。
自由選択期間(約4か月)の中での選択で内科系では放射線科、緩和ケア内科、病理診断科、外科系では心臓血管外科、血管外科、呼吸器外科、整形外科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、
 リハビリテーション科もローテーション出来るなど、幅広い分野での研修が可能です。

Q当直体制はどのようになっていますか?
・ 1年目の当直開始は、6月からとなり、研修医2名と上級医1名の3名体制で、救急外来診療、病棟対応を行います。
・ 平均月3~4回ですが、ローテーションの関係で月5回となることがあります。
・ 当直メンバー構成: 7人から8人
  内科当直医:3人(初期研修医、専攻医、指導医) 、専門当直医:脳神経(脳神経内科、脳外科)、循環器、外科、外科2(整形外科、泌尿器科、皮膚科、耳鼻科)

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Q当直の次の日は何時くらいにかえることができますか?
 当直の次の日(明け)は、お昼には帰宅できます。

Q:手技はどの程度行うことが出来ますか?
 高齢者の患者さんが多いので、バルーンカテーテル留置、末梢点滴、CV、胸腔穿刺、腹腔穿刺、腰椎穿刺など、希望すれば、内視鏡、PTGBDや生検などたくさんの手技ができます。

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Q:救急外来診療はどのようになっていますか?
・ 5月からスタートします。週1回半日(平日)を2年間継続して行います。
・ 2次救急として指導医のもとにFirstTouch(問診、診察など)を担当します。

Q指導体制はどのようになっていますか?
・ 科によって異なりますが、指導医との2人体制または専攻医、指導医と3人体制で患者を担当します。
・ 診療科同士の垣根も低く、コンサルトもしやすい雰囲気です。
・ 研究所と併設ということもあり、勉強、研究を支援する体制が整っています。

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Q図書館はありますか?

 老年学情報センターという名の図書館があり、24時間利用可能、平日は司書も在席し、文献の取り寄せ可能、大型プリンターで学会発表のポスターを作成することもできるなど
 研究の環境も整っています。

Q受け持ち患者さんは何人ぐらいですか?
 診療科にもよりますが、5~10人です。

Q病院施設はどのような感じですか?
 新施設が、平成25年に立ち上がり、まだ新しいとてもきれいな病院です。
 東武東上線大山駅より徒歩3分、池袋にも近く通勤にも便利です。

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Q:医局内のスペースはどうなっていますか?
 一人一人の研修医にも机があり、パソコンの貸与、インターネット環境がある風通しの良い医局です。

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Q:昼食はどうしていますか?
 職員食堂があり、定番メニューの他、日替わり2種類(500円)も選べます。売店の品揃えも多く朝は焼き立てパンも楽しめます。
 大山商店街のすぐ近くなので、帰り道の外食も楽しめます。

Q 研修を修了するためにはどのようなことが必要ですか?
 指導医による研修医の到達度評価、病歴の提出、研修医CPCの実施に加えて、3月に実施する研修修了発表会にて症例を発表することで研修修了となります。

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Q初期研修医終了後の進路はどうなっていますか?

 継続して当センターでの後期研修に進まれる方、大学病院や、他の研修病院で後期研修を行う方と様々です。

 東京都健康長寿医療センター病院での研修は、皆様にとって極めて貴重な、生涯の財産となるものと確信しています。多くの優秀な研修医の方々と、共に真摯に診療し、共に学び、切磋琢磨できることを職員一同楽しみにしています。

病院見学について

当センターを見学することは、実際に臨床研修をした時のイメージがつかめる良い機会となります。ぜひ、見学にいらしてください。

病院見学は、平日でしたら随時承ります。ただし、診療科の都合等により、ご希望に添えない場合もありますので、あらかじめご了承ください。

お申し込みはメールにて、必ず件名を「病院見学希望」とし、

  • 1.大学名
  • 2.氏名(しめい)
  • 3.性別 ※更衣室手配のため必要となります
  • 4.見学希望の診療科名(第一希望の診療科)
  • 5.見学希望日(第一希望日から第三希望日をお知らせください)
  • 6.連絡先電話番号

を明記の上、総務課人事係:臨床研修事務担当へお申込みください。なお、当日は白衣と聴診器をご持参のうえ、お越しください。

当センターへのお越しを心よりお待ちしております。

お申込先 東京都健康長寿医療センター 総務課人事係 臨床研修事務担当

お問い合わせ先 jinjik@tmghig.jp