第12回日本認知症予防学会学術集会において、認知症未来社会創造センター(社会参加とヘルシーエイジング研究チーム)研究員 高橋佳史が、浦上賞を受賞しました。
第12回日本認知症予防学会学術集会
浦上賞
社会参加と人物情報に対する記憶想起の精度の関連
認知症未来社会創造センター(社会参加とヘルシーエイジング研究チーム) 研究員 高橋佳史
加齢によって物事を憶える機能は低下すると言われていますが、興味のある情報を憶える機能は加齢の過程でも損なわれにくいとされています。また、記憶機能そのものだけではなく、自身の記憶機能を正確に判断する能力も認知機能として重要であるとされています。本研究は高齢者の社会参加と人物情報に対する記憶機判断の正確さの関連を検討しました。本研究は地域住民を対象にし、社会参加高群と社会参加低群に分類しました。手続きとしてパソコンを使った個別実験で記憶機能と記憶機能に対する判断を測定しました。結果として、社会参加高群と低群間で人物に対する記憶機能に差はありませんでした。しかしながら、人物に対する記憶判断の正確さにおいては、社会参加高群の方が社会参加低群よりも正確でした。この結果から、社会参加に従事し、人物に関する記憶は重要な情報として覚えようとすることで、記憶に対する判断の正確さにもつながると考えられました。このように認知機能面からも社会参加は認知症予防に関連することが示唆されました。
高橋先生賞状とともに