第47回 日本基礎老化学会「若手奨励賞」を受賞しました

研究成果
2024年06月21日

老化制御研究チーム 研究員 廣瀬 美嘉子が第47回 日本基礎老化学会「若手奨励賞」を受賞しました。

発表タイトル

The impact of senescent cells on the process of lung regeneration: possible involvement of a nuclear receptor signaling

受賞者

老化制御研究チーム 研究員 廣瀬 美嘉子

発表内容

 近年、老化細胞が加齢に伴い各臓器に蓄積し、疾患の発症や増悪化に寄与することが明らかとなっています。
 加齢に伴い増加する肺疾患であるCOPDは、世界の死因第3位(2019年)を占めますが、根本的な治療薬は現在のところありません。
 当研究室の先行研究では、COPDの病態モデル動物において、老化細胞が炎症促進を介して病態を悪化させることを報告しています。

 本研究では、老化細胞による疾患増悪化のメカニズムとして、新たに「肺再生の抑制」が関与するというデータを得ました。そのメカニズムとして、老化細胞由来の液性因子が、特定の核内受容体シグナルの抑制を介して、肺の再生を抑制することが明らかとなりました。
 このメカニズムを詳細に解明することにより、COPDの根治を目指す創薬基盤を構築することができると考えられます。


賞状