自立促進と精神保健研究チーム認知症・精神保健研究の山下真里研究員が日本老年社会科学会第67回大会「優秀ポスター賞」を受賞しました。
地域在住高齢者における3年後のフレイル発症と性格特性の関連:気仙沼スタディ縦断研究
自立促進と精神保健研究チーム 認知症・精神保健テーマ 山下真里 研究員
共同発表者:野藤悠、清野諭、川窪貴代、新開省二、村山洋史
本研究では、性格特性とフレイル(加齢に伴う心身機能の衰え)の関連を明らかにすることを目的として、気仙沼市在住の高齢者を対象に縦断調査を行いました。2019年と2022年の2回にわたり、郵送による質問紙調査を実施し、2019年時点でフレイルでなかった3,842名のデータを用いて分析を行いました。
性格特性は、日本語版TIPI-Jにより評価し、外向性(社交的・活動的)、協調性(調和的)、勤勉性(まじめでコツコツ)、神経質傾向(心配性)、開放性(好奇心が高い)の5因子を測定しました。フレイルの有無は15項目の介護予防チェックリストを用いて判定しました。
その結果、3年間で新たにフレイルとなった人の割合は16.7%でした。性格特性との関連では、男性では「外向性(社交的・活動的)」、女性では「勤勉性(まじめでコツコツ)」の高い人ほど、フレイルのリスクが低いことが明らかになりました。
本研究は、性格という個人の特性に注目することで、フレイル予防に新たな視点を提供するものであり、今後の個別化された高齢者支援に役立つ知見を示しました。