老化機構研究チーム システム加齢医学 研究員の竹岩俊彦が、第34回日本老年学会総会にて日本老年学会総会合同ポスター(基礎老化学会部門)「優秀演題賞」を受賞しました。

研究成果
2025年09月04日

老化機構研究チーム システム加齢医学 研究員の竹岩俊彦が第34回日本老年学会総会(第48回日本基礎老化学会大会と合同開催)にて日本老年学会総会合同ポスター(基礎老化学会部門)「優秀演題賞」を受賞しました。

発表タイトル

ミトコンドリア作動薬ベルベルルビンが高齢マウスの運動・認知機能の改善に担う役割

発表者

老化機構研究チーム システム加齢医学 研究員 竹岩 俊彦

発表内容

 老化・加齢に伴う筋量・筋力の低下であるサルコペニア、フレイル(虚弱)、および認知症は要介護に至る主要な要因であり、これらの新しい予防・治療法の開発は重要な課題である。ミトコンドリアはエネルギー代謝を担う細胞小器官であり、筋肉・脳神経の生理機能に重要な役割を担う。近年、共同研究者らにより、ミトコンドリアの恒常性に関わるユビキチン化酵素mitochondrial ubiquitin ligase(MITOL)を標的とするミトコンドリア作動薬として、食品・漢方薬成分として知られるベルベルルビン(マイトルビン)が同定された。本研究では、マイトルビンを処理した筋肉細胞でミトコンドリア呼吸が亢進すること、およびマイトルビンを摂取した高齢マウスにおいて筋肉機能および認知機能が向上することを示した。これらの結果は、マイトルビンが筋肉・脳神経の機能を改善することを示唆しており、マイトルビンのサルコペニア・フレイルおよび認知症の予防・治療への応用が期待できる。
                         竹岩俊彦 研究員