ローラーによる軽微な皮膚刺激が、過活動膀胱による高齢者の夜間頻尿を緩和することを発見

東京都健康長寿医療センター研究所の堀田晴美研究副部長、同病院の粕谷豊部長、帝京平成大学宮崎彰吾博士らの共同研究グループは、ローラーを使った軽微な皮膚刺激が、過活動膀胱による高齢者の夜間頻尿の緩和に効果があることを明らかにしました。この研究成果は、これまで有効な対処法がなかった夜間頻尿のための新たなセルフケア方法の開発に大きく貢献するものと期待されます。

私たちは、麻酔動物の排尿収縮に対する異なる効果を持つ2つのローラーを使って、どちらのローラーなのか、参加者にも研究担当者にもわからない方法で研究を行いました。軟らかいエラストマー表面を持つローラーをアクティブ刺激、硬いポリスチレン表面を持つローラーをプラセボ刺激に使用しました。 参加者自身に、優しくゆっくりと会陰部の皮膚上でローラーを転がす刺激を、一日一回就寝前に1分間行っていただきました。高齢者に多い夜間頻尿の主な原因の一つに、過活動膀胱(OAB)があります。OABのない参加者では、アクティブとプラセボ刺激の影響に差はありませんでしたが、OABを持つ参加者では、アクティブ刺激により、プラセボ刺激にくらべて、夜間の排尿回数が0.6回減少することがわかりました。

プレス発表資料