「大都市在住高齢者の個人・地域レベルの近所づきあいの程度と身体活動量との関連」について発表

「International Journal of Behavioral Nutrition and Physical Activity」に、社会参加と地域保健研究チーム(ヘルシーエイジングと地域保健研究)の清野諭研究員らが「大都市在住高齢者の個人・地域レベルの近所づきあいの程度と身体活動量との関連」について発表しました。

論文情報

Individual- and community-level neighbor relationships and physical activity among older Japanese adults living in a metropolitan area: a cross-sectional multilevel analysis

「日本の大都市在住高齢者における個人および地域レベルの近所づきあいと身体活動量」

Seino S, Kitamura A, Nishi M, Tomine Y, Tanaka I, Taniguchi Y, Yokoyama Y, Amano H, Narita M, Ikeuchi T, Fujiwara Y, Shinkai S.

発表雑誌

International Journal of Behavioral Nutrition and Physical Activity(2018年5月25日掲載)

https://doi.org/10.1186/s12966-018-0679-z

論文概要

本研究では、東京都大田区に在住する65-84歳の男女8592名を対象に、個人および地域レベルの近所づきあいの程度と身体活動量との関連をマルチレベル分析という手法によって検討しました。

その結果、
①男女とも、近所づきあいが乏しい個人ほど総中高強度身体活動量が低いこと
②近所づきあいが活発な地域に住んでいる男性では、その個人の近所づきあいの程度に関わらず、近所づきあいが不活発な地域に住んでいる男性よりも総中高強度身体活動量が高いこと
③この現象(文脈効果)は、女性では観察されなかったこと
を報告しました。

女性で文脈効果がみられなかった理由の1つとして、すでに多くの女性では近所づきあいが活発であったことが挙げられ、交流が活発な地域を醸成していくことが、男性の身体的不活動の予防にも寄与することを示唆しました。