第19回日本認知症ケア学会にて「石﨑賞」を受賞

自立促進と精神保健研究チーム(認知症と精神保健研究)の岡村毅研究員が、第19回日本認知症ケア学会にて「石﨑賞」を受賞しました。本賞は各発表演題に対して、その発表内容に関する独創性、有用性、発展性を1~10点まで点数評価し、上位約20演題に対して授与されるものです。

発表タイトル

「住まいを失った生活困窮高齢者の特徴」

演者

岡村毅

発表内容

近年、高齢者が住まいを失いホームレス支援団体の運営する共同居住施設に紹介されることが増えている。そこで、ホームレスの方を支援するNPO法人の共同居住施設に紹介された高齢男性19名に対して、精神科医と保健師が詳細な半構造化面接調査を行った。その結果、11名がフレイル、6名がプレフレイルであった(CHS基準)。10名がうつ病エピソードに該当し(M.I.N.I.基準)、14名がウェルビーイング不良(WHO5基準)であった。生活歴では、14名が結婚歴を有し、10名が離婚、4名が死別であった。現在交流を持つ親族がいるものは1名であった。本研究は、健康長寿社会の実現、価値観の変化、家族形態の変化に伴い、生活困窮・無縁・単身高齢者が住まいを失うリスクが今後増大する可能性を示すものである。

今回の調査対象者に対しては6か月後にフォローアップ調査予定である。演者や粟田研究部長が深く関わる当該NPO法人の集学的支援論により、ハイリスク群はどのように回復するのかについて検討していく。

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