第37回日本骨代謝学会学術集会優秀演題賞及び若手研究者助成を受賞しました。

筋老化再生医学研究(老年病態研究チーム)の吉本 由紀特別研究員が第37回日本骨代謝学会学術集会優秀演題賞及び若手研究者助成を受賞しました。

発表タイトル

ScxGFP iPS細胞を用いたin vitro分化誘導系の構築と腱・靭帯・軟骨細胞の分化制御の解析

発表者

広島大学 大学院医系科学研究科 医歯薬学専攻 生体分子機能学

吉本 由紀、藤田 和将、宿南 知佐
(吉本現所属:老年病態研究チーム、筋老化再生医学研究、日本学術振興会特別研究員)

発表内容

腱・靭帯は筋、骨とならび運動器が機能する上で欠くことができない組織ですが、研究があまり進んでいないのが現状です。本研究では、蛍光ライブイメージングによって人工多能性幹細胞(iPS細胞)から腱・靭帯分化誘導過程をモニタリングできるin vitroのシステムを新たに構築し、分化過程を制御する増殖・分化因子について解析しました。まず、腱・靭帯において特異的に発現する遺伝子Scleraxis (Scx)の発現領域で蛍光タンパク質GFPを発現するマウス胚からiPS細胞を樹立しました。次に、GFPの発現を指標にして、iPS細胞が腱・靭帯細胞へ分化する培養条件を同定しました。腱・靭帯形成に関与する成長因子の効果を検討した結果、腱・靭帯細胞と軟骨細胞への分化の振り分けに関与している成長因子を見出しました。本研究によって得られた知見は、困難とされている腱・靭帯やその付着部の組織再生に役立つことが期待されます。