<プレスリリース>軽度認知障害の高齢者においてカマンベールチーズ摂取による BDNF(脳由来神経栄養因子)上昇を確認

桜美林大学(学長:畑山 浩昭)、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(理事長:鳥羽 研二)および株式会社 明治(代表取締役社長:松田 克也)の共同研究グループは、軽度認知障害の高齢者において、カマンベールチーズの摂取が、認知機能との関連が報告されているBDNF(脳由来神経栄養因子)を上昇させることを確認しました。これまでもカマンベールチーズ摂取による認知症予防効果を示唆する基礎的な研究成果は報告されていましたが、当研究成果は世界で初めてヒトを対象とした試験でカマンベールチーズ摂取による認知症予防の可能性を示唆した研究成果となります。
また、当研究成果は、2019年9月24日に、老年学・老年医学分野で評価の高い国際科学雑誌Journal of the American Medical Directors Association (JAMDA)に掲載されました。
(Suzuki et al., JAMDA. 2019, pii: S1525-8610(19)30518-3. doi: 10.1016/j.jamda.2019.06.023)
https://www.jamda.com/article/S1525-8610(19)30518-3/fulltext

タイトル

The effects of mold-fermented cheese on brain-derived neurotrophic factor in community-dwelling elderly Japanese women with mild cognitive impairment: A randomized, controlled, crossover trial
(カビ発酵チーズの摂取が軽度認知障害の地域在住日本人高齢女性のBDNFに及ぼす影響:ランダム化クロスオーバー比較試験)

概要

東京都に居住する70歳以上の高齢女性689人のうち、軽度認知障害と判断された1
高齢女性71人を対象として、白カビ発酵チーズ(カマンベールチーズ)とカビ発酵していないプロセスチーズ(対照チーズ)の摂取によるBDNF2への影響を評価する試験を実施しました。

対象者を無作為に2群に分け、1つの群には市販の6Pカマンベールチーズを1日2ピース、対照群には市販の6Pプロセスチーズを1日2ピース、それぞれ3ヶ月間摂取していただき、血中BDNF濃度を測定しました。その後、3ヶ月間のウォッシュアウトを経て、摂取する食品を群間で入れ替え同様のことを実施しました。その結果、カマンベールチーズ摂取時には、対照チーズ摂取時と比較して、血中BDNF濃度の変化が有意に高い値を示しました(図)。

本研究の結果から、軽度認知障害の高齢者においてカマンベールチーズ摂取によるBDNF上昇作用が示されました。

血中BDNF濃度の変化.png

図 血中BDNF濃度の変化

1自覚的なもの忘れの訴えがあり、認知機能を確認するテスト(MMSE)の結果が23~26点の方を軽度認知障害と判断。
2BDNFは、うつ病やアルツハイマー型認知症、記憶・学習などの認知機能との関連性が報告されている神経栄養因子の一つで、加齢とともに認知症でも低下することが報告されています。

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