<プレスリリース>「在宅での高齢者の健康づくりに活用可能な スマートフォン用LINE BOTアプリを公開」

発表内容の概要

東京都健康長寿医療センター研究所(社会参加と地域保健研究チーム)の遠峰結衣 研究員らと、慶應義塾大学の杉浦裕太准教授らの研究グループは、在宅での健康づくりに活用できる無料のスマートフォン用LINE BOTアプリ「運動カウンター」、食習慣チェック用LINE BOT「食べポン」を公開しました。

公開・ダウンロード先

AIP加速PRISM研究「健康貯金のための運動誘発AI基盤構築」特設ページ「健康Appsシリーズ」

http://prism-kenko.org/apps

(アプリのご利用には、スマートフォンとLINEが必要です。アプリ自体は無料ですが、利用に伴う通信料・接続料はご本人様負担となります。)

作成の社会的背景

令和2年5月13日現在、国内の新型コロナウイルスによる感染症は、徐々にですが収束の兆しをみせています。しかし、警戒が緩めば感染が再拡大する可能性があるため、長期的に感染拡大を予防するための「新しい生活様式」※1に移行していくことが求められています。

高齢者のフレイル※2・認知症対策においては、これまでは積極的な外出や社会参加が重要視されてきました。しかし、現状では、たとえ緊急事態宣言が解除されたとしても、高齢者の通いの場※3等の再開には慎重にならざるを得ない状況が続くと考えられます。今後は、このような通いの場の再開に向けた対策とともに、直接交流を伴わない非対面下での健康づくり方策も併せて検討していく必要があります。

モバイル社会研究所によれば、近年では多くの高齢者にとってスマートフォンやインターネットが身近なものになっていることが報告されています4。そこで我々の研究グループでは、高齢者に在宅でも運動習慣や良好な食習慣を保持していただくため、スマートフォンLINEを活用した無料アプリ「運動カウンター」、食習慣チェック用LINE BOT「食べポン」を作成しました。

※1新しい生活様式:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html

※2フレイル:心身機能の低下によって要介護となる危険性が高まっている状態

※3通いの場:住民が定期的に集い、体操や趣味活動等の介護予防に資する活動をおこなう場

※4モバイル社会研究所

"あたらしもの好き"シニアの7割はスマホを所有している傾向(2020年2月5日):

https://www.moba-ken.jp/project/seniors/index.html

70歳代のスマートフォン比率5割突破(2019年6月12日):

https://www.moba-ken.jp/project/others/ownership03.html

LINE BOTアプリ「運動カウンター」の概要

「運動カウンター」では、スマートフォンアプリLINEのトークルームを利用して、自宅でできる8種類の簡単な運動の動画を見ることができます。また、その実践回数を記録し、回数によって加算されるポイントを家族や友人らと共有・競争することができます。フレイル予防に重要な5種類の下肢の筋力運動と、腰痛予防体操、口腔体操、ウォーキングの計8種類のメニューを利用できます(図1)。YouTubeで、ライブ体操「ゆるっとスマホ体操」を連携配信していますので、より詳しい内容やレベルアップした運動を実践することもできます(図2)。

図1

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図2

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食習慣チェック用LINE BOT「食べポン」の概要

「食べポン」では、10の食品群(肉類、魚介類、卵、大豆製品、牛乳、海藻類、緑黄色野菜、果物類、いも類、油脂類)※5のうち、1日に摂取した食品群を記録することができます。10の食品群のうち、何品目を食べたかを得点化し(1食品群で1点)、その得点を家族や友人らと共有・競争することができます。また、足りていない食品の摂取をおすすめしてくれます。

※510の食品群について

東京都健康長寿医療センターでは、これまでの健康長寿の疫学研究の成果を「健康長寿新ガイドライン」として集約しています。その中で、食・栄養面においては、10の食品群のうち、1日で7食品群以上を摂取することを推奨しています。この10の食品群は、日本の栄養指導でも用いられている「三色食品群」や「六つの基礎食品」に基づいているため、高齢者に限らず、どの世代の方にとっても、意識していただくことでバランスの良い栄養素摂取に繋がります。

図3

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プレス資料

問い合わせ先

〒173-0015 東京都板橋区栄町35-2

東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加と地域保健研究チーム

研究員:遠峰結衣、清野諭

電話:03-3964-3241 内線4252(5月は在宅勤務中の場合があります)

メール:tomine@tmig.or.jpまたはseino@tmig.or.jp