第1回「アジア健康長寿イノベーション賞」コミュニティ部門優秀事例を受賞しました。

社会参加と地域保健研究チームが、第1回「アジア健康長寿イノベーション賞」コミュニティ部門優秀事例を受賞しました。

発表タイトル

「高齢者による世代間交流型ヘルスプロモーションプロジェクト REPRINTS」

発表者

社会参加と地域保健研究チーム

発表内容

【アジア健康長寿イノベーション賞とは(国内選考概要から抜粋)】

 東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)および(公財)日本国際交流センター(JCIE)は、日本政府によるアジア健康構想(Asia Health and Wellbeing Initiative: AHWIN)の一環として、アジアにおける健康長寿の達成、高齢者ケアの向上に資する取り組みをアジア各国から募集し表彰する「アジア健康長寿イノベーション賞」(Healthy Aging Prize for Asian Innovation)を創設し、2020年1月から3月にかけて第1回の募集を行った。
 本賞は、日本を含むアジア 14 か国・地域より、高齢化による様々な課題の解決となる革新的なプログラム、サービス、製品、政策を、以下の3分野で募集・表彰することにより、アジア地域内で優れた知見を共有し、その実際の応用を後押しすることを目的としている。
<対象分野>
・テクノロジー&イノベーション
・コミュニティ
・自立支援

【プロジェクトの内容】

 2004年より子どもへ絵本の読み聞かせを行う高齢者ボランティアによるプロジェクト研究"REPRINTS"を開始した。2007年に研究が終了した後も、プロジェクトの拡大と持続という課題を克服してきた。拡大に対しては、行政施策(介護予防事業)と連動することで17自治体に増え、持続に対しては、住民ボランティアと共に「NPO法人りぷりんと・ネットワーク」を設立し、ボランティアグループ間の広域のネットワーク・サポートを図ることにより、団体・組織の強化に成功し、16年間継続している。

【本取り組みが成功した理由】

 成功した第一の理由は、我が国が直面する少子高齢化・核家族化を背景に、高齢者が次世代に貢献しつつ、高齢者自身が役割、生きがい、健康を獲得したことにある。更に、本プロジェクトが拡大することにより、地域のソーシャルキャピタルの醸成にも寄与する、まさに持続可能型の「三方よし」を具現化できた点にある。これはアジア諸国が直面する社会課題解決のモデルとなる。
 第二の理由は、プログラムとして、絵本の読み聞かせを用いた点である。絵本は、子ども・子育て世代はもとより、大人にも親和性がある。多種多様な種類の絵本は地域の公共図書館にて無料で借りることができる。世界的名作絵本はアジア諸国においても翻訳されており入手することは容易である。
 第三の理由は、絵本の読み聞かせ手法の習得を用いた認知症予防・介護予防プログラム受講(=自助)を導入として、講座修了後に、社会貢献(=互助)へと移行する意識・行動変容モデルに合致している点である。
 以上より、アジア諸国においても文化・社会環境を問わず展開可能なSDG'sを先取りしたモデルと言える。

第1回「アジア健康長寿イノベーション賞」受賞団体決定に関する記事(受賞者一覧は下記をご参照ください)
http://www.jcie.or.jp/japan/2020/07/27/post-5908/


賞状 
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