筋老化再生医学研究グループ(老年病態研究チーム)の黒澤珠希 研究生が第6回日本筋学会学術集会でStudent Award最優秀賞を受賞しました。

 筋老化再生医学研究グループ(老年病態研究チーム)の黒澤珠希 研究生が第6回日本筋学会学術集会でStudent Award最優秀賞を受賞しました。

発表タイトル

PDGFRα陽性間質細胞の臓器特異性から探るサルコペニアのメカニズム

発表者

筋老化再生医学研究グループ 黒澤珠希 研究生

発表内容

 全身の様々な臓器には実質細胞の隙間を埋める間質が存在する。最近、間質を最大の器官とする考え方もあり、実質を支え組織恒常性を担っていると考えられるが、その正確な機能は不明である。筋老化再生医学研究グループは様々な臓器の間質が、主にPDGFRαという細胞表面分子を発現する細胞によって構成されていることを見出した。臓器特有の間質機能を理解する目的で、様々な臓器に存在するPDGFRα陽性間質細胞を単離し、その遺伝子発現を比較した。また、若齢マウスと老化マウス間で比較解析することで、加齢による間質機能への影響も調べた。その結果、間質細胞は由来組織によって特徴的な遺伝子発現プロファイルを示し、それぞれ固有の機能を持つことが示唆された。さらに、老化マウスの結果を統合した解析から、骨格筋の間質細胞に特異的で老化により発現低下する遺伝子群aging signatureを明らかにした。Aging signatureを構成するある因子の欠損マウスでは筋量低下・筋萎縮が認められ、本因子の発現低下はサルコペニア発症に寄与することが明らかとなった。


黒澤研究生 賞状とともに
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