第23回日本運動疫学会学術総会 最優秀演題賞を受賞しました。

第23回日本運動疫学会学術総会において、社会参加と地域保健研究チーム 清野諭 研究員が最優秀演題賞を受賞しました。

受賞タイトル

大都市在住高齢者におけるIPAQ-shortで評価した総中高強度身体活動量・座位時間と総死亡リスクとの量・反応関係:4年間の縦断研究

受賞者

社会参加と地域保健研究チーム 研究員 清野諭

受賞研究の概要

 2020年に世界保健機関から公表された「身体活動・座位行動ガイドライン2020」では、身体活動・座位行動と健康指標との量・反応関係(活動量や座位時間が増えるほど、健康リスクがどのように変化するか)に関する検討が、重要な研究課題の一つとして挙げられています。本研究では、都内在住高齢者8069名を対象として、総中高強度身体活動量※1および座位時間※2と総死亡リスクとの量・反応関係を4年間の縦断研究によって検討しました。
 その結果、厚生労働省が示す基準(普通歩行換算で1日平均1.1時間相当)よりもさらに高い身体活動量(普通歩行換算で1日平均2.5~3時間相当)で、総死亡リスクが最も低値を示しました。しかし、それ以上の身体活動量で総死亡リスクがさらに低減するわけではありませんでした。本研究では、座位時間は総死亡リスクと有意に関連せず、座位行動の内容(読書や会話などの知的・能動的行動と、テレビ視聴などの受動的行動)別に検討する必要性が示唆されました。

※1:普通歩行以上の強度の活動
※2:座ったり寝転んだりしている時間