第32回日本老年学会総会 合同セッション優秀賞並びに日本老年社会科学会第63回大会 優秀演題賞を受賞しました。

第32回日本老年学会総会 合同セッションおよび日本老年社会科学会第63回大会において、社会参加と地域保健研究チーム 清野諭 研究員が優秀演題賞を受賞しました。

受賞タイトル

COVID-19第1波が大都市在住高齢者の新規要介護申請に及ぼした影響:分割時系列分析による検討

受賞者

社会参加と地域保健研究チーム 研究員 清野諭

受賞研究の概要

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴って、新規要介護の申請行動にどのような影響が生じているのか、情報が不十分な状況にあります。本研究では、都内在住高齢者約1万5千名の介護保険申請情報を調査し、COVID-19の影響を検討するための時系列分析をおこないました。
 その結果、COVID-19の第1波到来時(2020年3~5月)には、新規要介護申請は、それまでの申請数に基づく予測値よりも30~42%減少し、第1回目の緊急事態宣言明け(2020年6月)には予測値よりも17%増に転じていました。さらに、第2波の到来時(2020年7月)には、新規申請数が観察期間中の最低値(予測値よりも69%減)となっていました。
 以上から、新規要介護申請数と感染の波との間には明確なトレードオフ関係があることが明らかとなりました。第1波では、新規申請は単純に先送りされただけのようでしたが、第2波以降の影響をさらに検討する必要があると考えられます。

●掲載論文情報
Seino S, Nofuji Y, Yokoyama Y, Tomine Y, Nishi M, Hata T, Shinkai S, Fujiwara Y, Kitamura A. Impact of the First Wave of the COVID-19 Pandemic on New Applications for Long-term Care Insurance in a Metropolitan Area of Japan. J Epidemiol, 2021;31(6):401-402. doi: 10.2188/jea.JE20210047.