自立促進と精神保健研究チーム 研究員 枝広あや子（歯科医師）は、学術誌Geriatrics & Gerontology Internationalにおいて優秀論文賞を受賞しました。
Incidence and distribution of subtypes of early-onset dementia in Japan: A nationwide analysis based on annual performance reports of the Medical Centers for Dementia
（日本における若年性認知症の発生率とサブタイプ分布：認知症疾患医療センター実績報告書に基づく全国的な分析）
Ayako Edahiro, Fumiko Miyamae, Tsutomu Taga, Mika Sugiyama, Kazunori Kikuchi, Tsuyoshi Okamura and Shuichi Awata
若年性認知症は働き盛りの世代に発症し、高齢期認知症と比較して、親世代の介護や子の養育が重なること、就業の継続など複合的な課題があり、経済的困難や将来への不安、葛藤、社会的孤立に直面します。適切な政策立案のためには全国的な疫学調査が必要であり、本研究によって、国策としての認知症疾患医療センター運営事業を活用することで、継続的な発生率の検討ができることがわかりました。一方で、医療機関のみならず診断後支援に取り組む機関を可視化させ、より緊密な仕組みを創出することが課題であることも明らかになりました。
本研究が、若年性認知症の社会の理解を広め、個々に応じたきめ細やかで丁寧な診断後支援を進めていく礎の一つになれば望外の喜びです。
枝広先生賞状とともに
