日本老年医学会 第12回Geriatrics & Gerontology International 優秀論文賞を受賞しました。

日本老年医学会 第12回Geriatrics & Gerontology Internationalにおいて優秀論文賞を受賞しました。

受賞タイトル

Drug prescription patterns and factors associated with polypharmacy in over one million older adults in Tokyo
東京都の高齢者100万人超における薬剤処方パターンと多剤処方関連要因の分析)

Geriatrics & Gerontology International 2020;20(4):304-311.

受賞者

石崎達郎、光武誠吾、浜田将太、寺本千恵、清水沙友里、秋下雅弘、井藤英喜
Tatsuro Ishizaki 1, Seigo Mitsutake 1, Shota Hamada 2, Chie Teramoto 3, Sayuri Shimizu 2, Masahiro Akishita 4, Hideki Ito 5

1:東京都健康長寿医療センター研究所 福祉と生活ケア研究チーム
2:医療経済研究機構
3:東京大学大学院医学系研究科 地域看護
4:東京大学大学院医学系研究科 老年医学
5:東京都健康長寿医療センター
*:責任著者 石崎達郎

論文の概要

 多くの高齢者は複数種類の薬物を服用しており、服薬管理の負担、残薬の増加、副作用リスクの増大等、安全な薬物治療の実施は高齢者医療における最重要課題の一つです。しかし、国内の高齢患者を対象に多剤処方の実態を都道府県単位で把握し、その関連要因や薬剤併用パターンを検討した報告はこれまでにほとんどありませんでした。私たちは東京都の75歳以上の高齢者100万人超を対象に、診療報酬明細書データを使って外来処方薬を調べました。その結果、5種類以上の内服薬が処方されていた者は64%に及び、同時に5種類以上が処方されやすい薬剤は、鎮痛薬、利尿薬、抗不安薬・睡眠薬、骨粗鬆症治療薬、抗糖尿病薬であることを明らかにしました。また、外来で同時に処方されやすい5つの併用パターンを明らかにしました。これらの知見は、より安全な薬物治療を検討する際の具体的な道筋を示唆しています。


表彰状

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