第22回日本認知症ケア学会大会において石﨑賞を受賞しました。(タイトル:本邦におけるディオゲネス症候群―いわゆるごみ屋敷症候群―臨床的特徴と長期予後)

東京都健康長寿医療センター研究所 研究部長 井藤佳恵は、第22回日本認知症ケア学会大会において石﨑賞を受賞しました。

発表タイトル

本邦におけるディオゲネス症候群-いわゆるごみ屋敷症候群-臨床的特徴と長期予後

受賞者

井藤佳恵1、岡村毅2、津田修治2、3

1東京都健康長寿医療センター研究所 福祉と生活ケア研究チーム

2京都健康長寿医療センター研究所 自立促進と精神保健研究チーム

3医療科学研究所

※発表者:井藤佳恵

受賞研究の概要

 ディオゲネス症候群―いわゆるごみ屋敷症候群ーへの対応は、地域保健のなかの大きな課題のひとつです。ですがそもそも、高齢期を迎えてから、住環境が「ごみ屋敷」と言われる状態になるのは、いったいどういった人たちなのでしょうか。1966年以降、主に西洋の大都市からの研究報告がいくつもなされていますが、未だ、ディオゲネス症候群の臨床像も予後も十分には明らかにされていません。
 本研究は、東京都市部のディオゲネス症候群の、臨床的特徴と長期予後を明らかにすることを目的として行いました。その結果、独居高齢者の認知症が進行し、身体機能が衰えたとき、適切な支援がなければ、誰もがディオゲネス症候群になる可能性があること、そして、彼らの生命予後が不良であることが明らかになりました。
 こういった方たちに対する支援について考えるとき、一般に、住環境にばかり意識が向きがちです。ですが今回の研究から、彼らは、精神的健康、社会的健康とともに、身体的健康のリスクも高く、身体的健康に十分に配慮した支援方針を考える必要があるということがわかりました。

賞状
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