第22回日本認知症ケア学会大会において石﨑賞を受賞しました。(タイトル:世間体意識は認知機能低下に関連するか?: NEIGE Study)

社会参加と地域保健研究チーム 研究副部長 村山洋史は第22回日本認知症ケア学会において石﨑賞を受賞しました。

発表タイトル

世間体意識は認知機能低下に関連するか?: NEIGE Study

発表者

社会参加と地域保健研究チーム 研究副部長 村山洋史

受賞内容について

 世間体とは、周囲に対する体面や体裁であり、日本人の行動様式を規定する規範意識として知られています。世間体意識が高いほど、介護サービスの利用意向が低いことなどが知られています。
 本研究は、新潟県十日町市の高齢者コホート研究のデータを用い、世間体意識とMini-Mental State Examination Japanese version(MMSE-J)で測定した認知機能との関連を検討しました。
 世間体意識尺度得点を5分位(得点の高低によって人数が等しくなるよう分けられた5つの群)にして解析したところ、世間体意識が最も低い群(第1分位)と高い群(第5分位)では軽度認知機能低下 (MMSE-J : 24-26点) と判定される者が多く含まれていました。この関連は、基本属性、社会経済的状態、健康習慣、健康状態、遺伝要因を調整しても変わりませんでした。なお、MMSE-Jが23点以下の認知機能低下との関連は認められませんでした。
 以上から、中程度(ほどほど)の世間体意識を持つことが、認知機能低下保護的に働く可能性が示唆されました。

村山先生 賞状とともに
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