第74回日本自律神経学会総会において日本自律神経学会賞を受賞しました。

老化脳神経科学研究チーム 研究員 飯村佳織は、第74回日本自律神経学会総会において日本自律神経学会賞を受賞しました。

大会名

第74回日本自律神経学会総会

受賞講演タイトル

Thyroxin and calcitonin secretion into thyroid venous blood is regulated by pharyngeal mechanical stimulation in anesthetized rats. 
(麻酔下ラットにおける咽頭への機械的刺激は甲状腺静脈血中へのサイロキシンおよびカルシトニン分泌を調節する)

発表者

老化脳神経科学研究チーム 研究員 飯村佳織

受賞内容について

 私たちの論文「Thyroxin and calcitonin secretion into thyroid venous blood is regulated by pharyngeal mechanical stimulation in anesthetized rats.」が、自律神経の研究に大きく寄与する優れた論文として評価され、日本自律神経学会学会賞をいただきました。
 本研究では、食べ物を飲み込む時に起こるような咽頭への物理的な刺激が、甲状腺からのホルモン(甲状腺ホルモン、カルシトニン)の分泌を促進することを麻酔下動物を用いて明らかにしました。また、この反応は咽頭への刺激によって、甲状腺に分布する副交感神経(自律神経)が反射性に活性化することで起こることを証明しました。近年、健康寿命の延伸の観点から、歳をとってもしっかりと噛んで口から食べられる機能を保っておく、オーラルフレイル予防に注目が集まっています。甲状腺ホルモンは代謝を高める他、脳機能維持にも重要とされ、カルシトニンは骨を丈夫にしたり、鎮痛作用があります。いずれのホルモンも私たちが活発に生きていくうえで必要であり、それらのホルモンが咽頭への刺激で分泌されるという本研究の発見は、オーラルフレイル予防の重要性を支持する新たな生理メカニズムである可能性があります。

受賞論文

 Kaori Iimura, Harue Suzuki, Harumi Hotta. Thyroxin and calcitonin secretion into thyroid venous blood is regulated by pharyngeal mechanical stimulation in anesthetized rats. The journal of physiological sciences 2019; 69(5): 749-756.

表彰状
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