第64回日本老年医学会学術集会において、会長奨励演題賞を受賞しました(レビー小体病における血漿ホモシステイン濃度、および、脳脊髄液バイオマーカーとの関連)

第64回日本老年医学会学術集会において、脳卒中科部長 金丸和富が、会長奨励演題賞を受賞しました。

受賞名

会長奨励演題賞

発表タイトル

レビー小体病における血漿ホモシステイン濃度、および、脳脊髄液バイオマーカーとの関連

受賞者

脳卒中科部長 金丸 和富

受賞内容

 血漿ホモシステイン(Hcy)濃度の上昇は、アルツハイマー病の危険因子として知られています。今回、レビー小体病 (パーキンソン病:PD 33例、レビー小体型認知症:DLB 36例)におけるHcy濃度、また、 脳脊髄液バイオマーカー(アミロイドベータ蛋白: Aβ42, タウ蛋白: tau, リン酸化タウ蛋白: ptau-181)との関連について検討しました。その結果、DLBにおいても血漿Hcy濃度が有意に高値をとり(DLB 14.5±7.2 nmol/ml、PD 11.2±2.9 nmol/ml, t検定, p<0.05)、認知機能低下(MMSE)と有意に関連していました(p=0.002)。また、Hcy濃度は脳脊髄液バイオマーカー(Aβ42, tau, ptau-181)とは関連せず、アミロイドベータ蛋白やタウ蛋白を介さない細胞障害の可能性が考えられました。今後の検討が必要ですが、レビー小体型認知症の予防にもHcyを下げること(葉酸やビタミンB12・B6の摂取)が有効の可能性があります。

賞状
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