第81回日本公衆衛生学会総会で優秀演題賞を受賞しました。

第81回日本公衆衛生学会総会において、社会参加と地域保健研究チーム 清野諭 主任研究員が優秀演題賞を受賞しました。

受賞タイトル

高齢者の身体活動量・座位時間と介護保険認定リスクとの量反応関係:要支援/要介護別の検討

受賞者

社会参加と地域保健研究チーム 主任研究員 清野諭

受賞研究の概要

 2020年に世界保健機関から公表された「身体活動・座位行動ガイドライン2020」では、身体活動・座位行動と健康指標との量反応関係(活動量や座位時間が増えるほど、健康リスクがどのように変化するか)に関する検討が、重要な研究課題の一つとして挙げられています。本研究では、都内在住高齢者7924名を対象とした縦断研究によって、中高強度身体活動量※1および座位時間※2と介護保険認定リスクとの量反応関係を要支援/要介護別に検討しました。
 その結果、厚生労働省が示す基準(普通歩行換算で1日平均1.1時間相当)よりもさらに高い身体活動量で、新規要支援・要介護認定リスクが一貫して最低値を示しました。それ以上の身体活動量ではそのリスクがさらに低減するわけではありませんでしたが、高身体活動による有意なリスク上昇は確認されませんでした。座位時間の分析では、概ね1日あたり600分以上になると、新規要支援・要介護認定リスクが有意に高まりました。この関係性は新規要介護認定リスクにおいて、より顕著でした。
 要支援の予防には、座位時間に関わらず身体活動量を少しでも高く保持すること、要介護の予防には、身体活動量を高く保持するとともに座位時間を減らすことの重要性が、それぞれ示唆されました。

 ※1:普通歩行以上の強度の活動
 ※2:座ったり寝転んだりしている時間

清野先生受賞の様子
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