第46回日本基礎老化学会大会において、老化機構研究チーム システム加齢医学 研究員 竹岩俊彦が、日本基礎老化学会奨励賞を受賞しました。
第46回日本基礎老化学会大会
奨励賞
ミトコンドリア呼吸鎖超複合体の生細胞FRETイメージング法開発とそのサルコペニア治療・筋肉抗老化への応用
老化機構研究チーム システム加齢医学 研究員 竹岩俊彦
共同演者:東 浩太郎、池田 和博、堀江 公仁子、井上 聡
老化・加齢等に伴う筋量及び筋力の低下であるサルコペニアはフレイルや要介護に至る疾患であり、その予防・治療薬の開発が求められています。ミトコンドリアは、細胞の活動に必要なエネルギーの産生に関わり、筋肉の有酸素運動に重要な役割を担います。我々は世界に先駆けて、ミトコンドリアにある呼吸鎖超複合体がエネルギー産生や筋肉の運動持続力に働くことを明らかにし、超複合体の筋肉機能の向上やサルコペニア予防・治療への応用を提唱してきました。しかし、超複合体を生細胞で精密に測定する手法がなく、超複合体の制御メカニズムは十分に解明されていませんでした。
本研究では、FRETと呼ばれる現象を利用し、生細胞で超複合体を精密に測定する技術の開発に成功しました。本技術に基づき、超複合体の形成を促進する化合物をスクリーニングし、SYK阻害薬をはじめとする複数の候補化合物を新規に同定し、その作用を細胞・動物モデルで評価しました。本研究成果は、筋肉の抗老化やサルコペニアに対する介入ならびに予防薬の開発に貢献するものと期待されます。
石神昭人大会長と共に(右が竹岩研究員)