The 12th IAGG Asia/Oceania Regional Congress 2023「The Outstanding Poster Presentation Award」を受賞しました(Akiko Kanemaru)

The 12th IAGG Asia/Oceania Regional Congress 2023において、リハビリテーション科部長 金丸晶子が、The Outstanding Poster Presentation Award(優秀ポスター賞)を受賞しました。

大会名

The 12th IAGG Asia/Oceania Regional Congress 2023

受賞名

Outstanding Poster Presentation Award(優秀ポスター賞)

発表タイトル

The effect of a Team-Round Against Hospitalization-Associated Disability (TRAHAD) at an acute-care hospital on the hospital-stay length

受賞者

リハビリテーション科部長 金丸晶子
(共同演者 江渕貴裕 齊藤陽子 正田奈緒子 寺澤泉 榎本洋司 全秀剛 加藤貴行)*
*リハビリテーション科のその他の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、および、病棟看護師・栄養士の協力を得て取り組んだ内容ですが、全員の名前は載せられていませんのでご了承下さい。

受賞内容

 高齢者の入院関連機能障害(HAD)を最小限にするため廃用防止ラウンド(TRAHAD)を2015年から開始した。介入が必要な対象者を選び出すために、入院1週目(=入院時)と2週目の状態を、Short Physical Performance Battery (SPPB)とBed Mobility Scale (BMS)を用いて評価し、入院中どのような人のADLが低下するのかを検討した。入院1週目のSPPBスコアが8点以上の人は、入院2週目でもBMSは低下しなかった。SPPBスコアが8点未満の人にADL低下のリスクがあることが判明したため、寝たきりではないSPPBスコア8点未満の症例を中心にTRAHADを実施した。
 2013年6月ら2017年12月の間における、入院日数とTRAHAD実施時期(GTO)との関係を検討した。研究Aでは、3病棟入院症例全例(n=11044)を対象に、目的変数を入院日数、説明変数を性別・年齢・GTOの3つとした多変量解析を行い、年齢(p=0.000)が有意であったがGTOはp=0.06にとどまった。
 次に、研究Bでは、同期間にリハビリテーションを実施した全症例(n=1726)を対象に同じ解析を行った。リハビリテーションを必要とする高齢症例においては、GTOのみが有意(p=0.000)となり、年齢(p=0.430)・性別(p=0.348)は全く影響しなかった。
 リハビリテーションを実施した高齢者では、「年齢」は影響せず、「TRAHAD (廃用防止ラウンド) を実施していたこと」が在院日数短縮に大きく影響していることが明らかになった。TRAHAD実施自体が、患者だけでなく看護師や医師などの病棟スタッフにも何らかの影響を及ぼした可能性を示唆している。

金丸医師(右)、共同演者江渕理学療法士とともに
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