第36回 日本体力医学会奨励賞を受賞しました

自立促進と精神保健研究チーム 研究員 畑中翔が、第36回日本体力医学会奨励賞を受賞し「日本体力医学会特別大会-2023東京シンポジウム-」で表彰されました。

受賞名

第36回 日本体力医学会奨励賞

発表タイトル

Effect of resistance training mainly depends on mechanical activation of fast-twitch fiber

受賞者

自立促進と精神保健研究チーム 研究員 畑中 翔

受賞内容

 これまでの数々の研究で、レジスタンストレーニング(筋トレ)で骨格筋を肥大させるための十分条件が分かってきました。具体的には高い負荷強度を用いることや、疲労困憊まで追い込むといったいわゆる「キツい」筋トレを行えば筋肥大効果が期待できます。こうした方法は「ほぼ確実に速筋線維を動員(鍛錬)できる」という点で優れています。
 しかし、例えば心肺機能に不安のあるご高齢の方にこうした筋トレが適切かは疑問です。この研究では、過去に我々が発表した数理モデル(Hatanaka and Ishii, 2021)を利用して「筋トレ中の速筋線維の活動量(発揮張力×時間)が筋肥大効果の指標となる」ことを示しました。これが分かると任意のプログラムに対して効果を予測できるようになります(図1)。
 これから筋トレを実施しようとする方が、ご自身のやれる範囲でなるべく効果的なプログラムを選択できるようになればと思い取り組んだ研究です。

※骨格筋は遅筋線維と速筋線維で構成され、速筋線維の方が肥大しやすい。速筋線維は瞬発的に大きな力を発揮でき、例えば転倒の回避において重要な役割を果たす。運動中は遅筋線維が速筋線維よりも優先的に動員され、運動強度が上がるにつれて速筋線維が動員される(サイズの原理)。

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図1 本研究の結果を用いたトレーニング効果の予測(受賞講演スライドより)

共著者の石井直方先生と(左が畑中研究員)
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