胃がん

代表的な症状

心窩部(みぞおち)の違和感、嘔気、真っ黒な大便、食事のつかえ感、体重減少、食指不振

疾患概要

胃は食道と十二指腸の間にある臓器で、胃粘膜から胃酸などの胃液を出して食べ物を消化し、筋肉の蠕動運動(ぜんどううんどう)により食べ物を腸に送り出す役割があります。

胃粘膜の細胞ががん化し、徐々に周囲の正常組織と置き換わり増大していくのが「胃がん」です。
がん細胞が表面にとどまった状態を「早期がん」と呼び、がん細胞が増えて胃の壁の深い部分に広がった状態を「進行がん」と呼びます。

がん細胞はリンパ節や肝臓・肺などの胃から離れた臓器に転移し、そこで増えることがあります。胃がんのステージはがんの深さ、リンパ節転移の有無、肝臓や肺などの離れた臓器への転移の有無の3つの要素で決定されます。

原因・症状

胃粘膜の正常な細胞ががん細胞になり増えることで胃がんが発生しますが、リスク因子として知られているものに喫煙、塩分の過剰摂取、野菜や果物の摂取不足、ピロリ菌感染があります。
加齢や個人の体質にこれらの要因が重なって胃がんが発生すると考えられます。
ピロリ菌は内服で治療ができ、除菌することにより将来の胃がんのリスクを減らすことにつながります。
胃がんは早期がんでは自覚症状はほとんどありません。
進行すると心窩部(みぞおち)の違和感、吐き気が出ることがあります。また胃がんでは貧血になることがあるので、墨汁のような真っ黒な大便が出たり倦怠感がおきることがあります。さらに進行すると食事が通らなくなったり、体重減少がおきることがあります。

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検査

胃がんが疑われた場合、上部内視鏡検査で胃の内部を観察します。
がんが疑われる部分がある場合は、その箇所から組織を採取して病理検査を実施します。病理検査で胃がんの診断を確定し、胃がんの種類や性質を調べます。
胃がんの広がりを調べるために造影CT検査が行われることが多く、その他に腹部超音波検査やMRI検査、PET検査、審査腹腔鏡検査などが行われることもあります。
また、どの程度の治療に耐えられる全身状態かを調べるために、血液検査、心電図、心臓超音波検査などが追加されることがあります。

治療

日本胃がん学会は胃がんのステージごとに治療指針を定めていますが、それに加え本人の希望やライフスタイル、年齢、全身状態などが考慮されます。
一般的には胃がんが離れた臓器に転移していなければ、切除が検討されます。胃粘膜にとどまりリンパ節への転移がない場合は胃の表面のみを切除する内視鏡切除が、胃粘膜より深く伸展もしくはリンパ節へ転移している場合は胃を一部または全て切除する手術が検討されます。
切除された病変は病理検査で精査されますが、その結果により手術や薬物療法が追加されることがあります。胃がんが離れた臓器に転移してすべて切除することが難しい場合は、切除せずに薬物療法などが検討されます。

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