システム加齢医学研究

メンバー

リーダー 研究部長 井上 聡 
専門副部長 高山 賢一
研究員 竹岩 俊彦、佐藤 薫(認知症未来社会創造センター兼務)

キーワード

エストロゲン、アンドロゲン、核内受容体、ミトコンドリア呼吸鎖超複合体、フレイル、サルコペニア、骨粗鬆症、ロコモティブ症候群、メタボリック症候群、糖尿病、内分泌代謝、ホルモン依存性がん、認知症、神経変性疾患、非コードRNA、ビタミンK、次世代シーケンサー

主な研究

  1. 性ホルモンと加齢性疾患
    A) 性ホルモンのフレイル・認知症における役割の解明
    B) ミトコンドリア呼吸鎖超複合体の健康長寿・フレイルにおける役割の解明
    C) ホルモン依存性がんにおけるゲノム・エピゲノム・非ゲノム作用解析
  2. ビタミンと加齢性疾患
    A) ビタミンKとロコモティブ症候群・フレイル・認知機能障害
    B) γ-グルタミルカルボキシラーゼおよび核内受容体SXRの生体と病態での役割
  3. 老年病とがんの診断・治療標的の探索・同定・機能解明とその臨床応用

研究紹介

生命科学の研究においては、一つ一つの分子の機能を解明していくだけでは生命現象や病気・病態の解明が困難であることが次第に明らかとなってきています。そこで私たちは、研究アプローチとして、遺伝子や遺伝子が読まれた転写産物、翻訳された蛋白質、代謝産物等を包括的に解析して、システムとしての加齢現象、加齢性疾患ならびに高齢者がんの病態の解明に挑んでいます。特に、核内受容体の転写制御の視点を中心に据え、老化ならびに、高齢者の運動器をはじめとする各種疾患、高齢者に多い前立腺がん、発症年齢が高齢化しつつある乳がんの病態メカニズムを解明し、新たな予防法・治療法につながる研究を行っています。特に、それぞれ男性・女性ホルモンであるアンドロゲンとエストロゲンに加え、脂溶性ビタミンとしてビタミンKに着目し、新しい生命現象の解明を目指しています。

1. 性ホルモンと加齢性疾患

A) 性ホルモンのフレイル・認知症における役割の解明

年齢と共に、性ステロイドホルモンであるアンドロゲン・エストロゲンの分泌が減ってくることは良く知られています。一方で、高齢者に対するアンドロゲンやエストロゲンの補充療法により、改善される加齢性の表現型も存在し、性ステロイドホルモンの低下が老化の一部を担っているという側面もあると考えられます。従って、性ステロイドホルモンの作用の仕組みを解明することにより、老化のメカニズムを説き明かし、加齢性疾患の予防および治療に生かすことができるのではと私たちは考えています。

転倒・骨折・関節疾患などの運動器の疾患と認知症は、それぞれ本邦高齢者が要介護となる原因の第1位 (24%)と第2位 (18%)を占めています(令和4年版高齢社会白書)。従って、骨粗鬆症、変形性関節症、サルコペニアなどを含むロコモティブ症候群・フレイルおよび認知症の予防・治療により、健康寿命をより実際の寿命に近づけることができると考えられます。

エストロゲンは、骨折抑制効果が大規模臨床試験で証明されており、選択的エストロゲン受容体モジュレータ(SERM)が骨粗鬆症の治療薬として臨床現場で使用されています。また、アンドロゲンの骨格筋に対する効果もよく知られています。エストロゲンの筋肉に対する効果はまだ確立されていませんが、私たちはミトコンドリアにおける超複合体形成を制御するCOX7RPがエストロゲンの標的遺伝子であることを発見しており、筋代謝への関与も推測されます。一方で、エストロゲンならびにアンドロゲンと認知症予防の関連が指摘されています。私たちの研究室では、これらの性ステロイドホルモンの転写調節作用メカニズムと標的因子の役割を次世代シーケンサー・質量分析器などを用いた最新の手法で解析し、抗老化や骨・筋保護ならびに認知症予防のメカニズムの解明と新たな予防・治療標的の発見を目指しています(図1)。

図1.png

B) ミトコンドリアの呼吸鎖超複合体と健康長寿

私たちは、エストロゲンの応答因子としてCOX7RPを同定し、これが今まで謎に包まれていたミトコンドリアにおける「呼吸鎖超複合体」の形成促進因子であることを世界に先駆けて解明しました(図1)。ミトコンドリアの電子伝達系においては、IからVまで5つの複合体が間で電子の伝達が行われ、その過程で、水素イオン勾配の形成や酸素の還元、ATPの合成が行われることが示されています。「超複合体」は、呼吸鎖複合体のうち、I, III, IVが会合した、より高次の構造体の名称であり、その形成因子の同定は新しい発見として注目されています。ミトコンドリア機能は、老化と密接に関係しており、特に寿命を延長できる動物での遺伝子変異の大きな割合を占めています。そこで呼吸鎖超複合体の形成制御の視点から、寿命延長と健康長寿、加齢性疾患とのかかわりを解明するべく研究を進めております。私たちは最近、Förster共鳴エネルギー移動(FRET)と呼ばれる物理現象を利用し、生細胞における超複合体形成を可視化し空間的に定量化する技術の開発に成功しました。さらに本手法を応用し、超複合体形成を促進し、マウスの運動持久力を向上させる化合物・薬物の同定にも成功しました。今後、本手法をより一層発展・応用することで、超複合体の形成・作用メカニズムを明らかにし、健康長寿や加齢性疾患の予防・治療に応用することを目指しています。また、STED(stimulated emission depletion)法を用いた超高解像度顕微鏡を利用したCOX7RPおよび各呼吸鎖複合体蛋白質の解析を試みています(図1)。

C) ホルモン依存性がんにおけるゲノム・エピゲノム・非ゲノム作用解析

私たちは、性ステロイドホルモンに依存した増殖を示すホルモン依存性がんを研究対象としています。高齢者に多い前立腺がんは、男性ホルモンであるアンドロゲンにより増殖が促され、乳がんの多くは女性ホルモンにより増殖します。それぞれ、国内で1万人以上のがん死亡者数となっており、前立腺がんは高齢者に多く発症すること、また乳がんに関しては、発症する患者さんの平均年齢が我が国で上昇していることが問題となっています。性ステロイドホルモンのシグナルを遮断する薬剤は、前立腺がんや乳がんの内分泌療法に用いられていますが、使用中に治療が効かなくなること、すなわち耐性化の問題など臨床的に克服すべき課題に対する対策が急務です。性ステロイドホルモンの作用のしくみを解明することは、これらのがんの病態解明や新たな診断・治療法の開発に役に立つと考えられます。私たちは、次世代シーケンサーやプロテオミクス・メタボロミクスといったシステム解析の手法を活用することにより、前立腺がんにおけるアンドロゲンシグナルおよび治療抵抗性の新規制御メカニズム(図2)、長鎖および短鎖非コードRNAの誘導とそれらによるエピゲノム制御(図3)、乳がんにおける新たなエストロゲン応答遺伝子(図4)に加え、非ゲノミック作用など多彩な性ステロイドホルモンの新規作用を発見しています。また、私たちは世界に先駆けて、従来のがん細胞株よりも患者腫瘍の病態生理を反映するモデルとして注目を集めている患者由来がん細胞(PDC)及び患者由来がん動物モデル(PDCX)を複数のがん種で樹立することに成功し、これらを前臨床モデルとして活用し研究を進めています(図5)。これらを手掛かりにさらに研究を進め、臨床応用を目指します。

図2.png図3.png図4.png

図5.png

2. ビタミンと加齢性疾患

A) ビタミンKとロコモティブ症候群・フレイル・認知機能障害

私たちは、性ステロイドホルモンの研究手法を応用して、ビタミンの抗加齢作用の解明も目指しています。中でもビタミンKの作用の解明に力を入れています。ビタミンKは納豆や緑黄色野菜に含まれるビタミンで、血液が固まるために必要なビタミンですが、ビタミンKの摂取が多いと骨折しにくいことが明らかにされており、現在では骨粗鬆症の治療薬としても用いられています。また、疫学研究から、ビタミンK摂取が多いと変形性関節症になりにくいことが示されています。当研究所では社会科学系研究室により高齢者を対象とした長期縦断コホートおよび介入研究(板橋お達者健診)が行われていますが、私たちは社会科学系研究室と連携し当該研究の2020年の検診結果を解析し、ビタミンK不足のバイオマーカーである血清中の低カルボキシル化オステオカルシン(ucOC)濃度が認知機能の低下(軽度認知機能障害)やうつと関連することを明らかにしました。また、同解析より血清中の総オステオカルシン(OC)とucOCの濃度の比率がフレイル状態と関連することを明らかにしております(図6)。

ビタミンKの作用は、凝固因子の活性化に代表されるようなγ-カルボキシラーゼ(GGCX)の補酵素としての役割が古くから知られていましたが、私たちは、核内受容体SXRがビタミンKをリガンドとするという全く異なる作用を発見し、提唱してきました(図6)。SXRの欠損マウスは、骨量減少および関節軟骨の菲薄化をきたし、SXRを介するビタミンKの作用が、骨保護・関節保護作用に寄与していることが考えられました。このような研究を発展させ、ビタミンKが骨を丈夫にするより詳細なメカニズムや関節疾患の予防の可能性、サルコペニア、フレイルや認知機能障害との関連、およびその診断にビタミンK充足度をバイオマーカーとして使うことについて研究を行っています。

図6.png

B) γ-グルタミルカルボキシラーゼおよび核内受容体SXRの生体と病態での役割

古くから知られているビタミンKの作用であるGGCXの補酵素としての役割を解析するために、GGCXを欠損させたマウスを作製すると、出血のため胎生期および生後早期に死亡することが報告されており、加齢性の疾患の解析には適さないことが分かっています。このため、私たちは独自に臓器特異的にGGCXを欠損したマウスを作製し、解析に用いて来ました。この中から、骨芽細胞特異的にGGCXを欠損させても、骨は弱くならないという興味深いことが分かってきており、GGCXの生体内での実際の作用はさらなる研究が必要であることが示唆されました(図1)。また、骨芽細胞特異的なGGCX欠損マウスでは、インスリンの感受性が高くなっており、糖代謝に対する影響があることが分かりました。さらに、精子形成に重要な役割を担うセルトリ細胞特異的にGGCXを欠損させたマウスでは、精巣が小さく異常な組織形態となり、作られる精子の数と運動性の低下、奇形精子の増加が認められマウスが不妊になることが分かりました。GGCXおよびSXRの遺伝子改変動物を活用することにより、生体内でのビタミンKの多彩な作用の解明を目指して、研究に取り組んでいます。(図6)

3. 老年病とがんの診断・治療標的の探索・同定・機能解明とその臨床応用

私たちはこれまで、ヒトの血液・尿サンプルおよび臨床データを用いて、老年病や加齢性疾患、とくにロコモティブ症候群とメタボリック症候群に注目して、それらの指標に関連のあるバイオマーカーや遺伝子マーカーをゲノムワイドな手法等を活用して探索・同定してきました。たとえば、メタボリック症候群とロコモティブ症候群を結びつける血中で測定できるスクレロスチン等のバイオマーカー、ならびに、脂肪量と関連するSLC25A24、サルコペニアに関連するPRDM16、骨密度に関連するGPR98などのゲノムマーカーを見出して、その機能、診断・治療における役割とともに報告しております。また、認知症未来社会創造センター(IRIDE)と協力して認知症におけるRNAバイオマーカーの探索を進めるとともに、ビタミンK不足の指標について先に述べたようにフレイル・認知症のバイオマーカーへの応用を進めています。さらに、高齢者にみられるがんについては、乳腺外科、婦人科、泌尿器科などの病院医師らと協力しながら、臨床サンプルの収集・解析から病態を特徴づける新たな因子やメカニズムを発見し、診断・治療の標的としての応用を目指しています。

主要文献(Selected)

  1. Kobayashi A, Azuma K, Takeiwa T, Kitami T, Horie K, Ikeda K, Inoue S: A FRET-based respirasome assembly screen identifies spleen tyrosine kinase as a target to improve muscle mitochondrial respiration and exercise performance in mice. Nat Commun 14, 312, 2023.
  2. Azuma K, Osuka Y, Kojima N, Sasai H, Kim H, Inoue S: Association of vitamin K insufficiency as evaluated by serum undercarboxylated osteocalcin with frailty in community-dwelling older adults. Front Aging 3, 865178, 2022.
  3. Kimura N, Takayama KI, Yamada Y, Kume H, Fujimura T, Inoue S: Ribonuclease H2 Subunit A Preserves Genomic Integrity and Promotes Prostate Cancer Progression. Cancer Res Commun 2, 870-883, 2022.
  4. Takeiwa T, Ikeda K, Suzuki T, Sato W, Iino K, Mitobe Y, Kawabata H, Horie K, Inoue S: PSPC1 is a potential prognostic marker for hormone-dependent breast cancer patients and modulates RNA processing of ESR1 and SCFD2. Sci Rep 12, 9495, 2022.
  5. Azuma K, Osuka Y, Kojima N, Sasai H, Kim H, Inoue S: Association of Vitamin K Insufficiency as Evaluated by Serum Undercarboxylated Osteocalcin With Depressive Symptoms in Community-Dwelling Older Adults. Am J Geriatr Psychiatry 30, 1051-1052, 2022.
  6. Azuma K, Osuka Y, Kojima N, Sasai H, Kim H, Inoue S: Association of vitamin K insufficiency with cognitive dysfunction in community-dwelling older adults. Front Nutri 8, 811831, 2022.
  7. Sato K, Takayama K, Hashimoto M, Inoue S: Transcriptional and post-transcriptional regulations of amyloid-β precursor protein, APP. Front Aging 2, 721579, 2021.
  8. Azuma K, Ikeda K, Suzuki T, Aogi K, Horie-Inoue K, Inoue S: TRIM47 activates NF-κB signaling via PKCε/PKD3 stabilization and contributes to endocrine therapy resistance in breast cancer. Proc Natl Acad Sci U S A 118, e2100784118, 2021.
  9. Takayama K, Kosaka T, Suzuki T, Hongo H, Oya M, Fujimura T, Suzuki Y, Inoue S: Subtype-specific collaborative transcription factor networks are promoted by OCT4 in the progression of prostate cancer. Nat Commun 12, 3766, 2021.
  10. Takayama K, Honma T, Suzuki T, Kondoh Y, Osada H, Suzuki Y, Yoshida M, Inoue S: Targeting epigenetic and post-transcriptional gene regulation by PSF impairs hormone therapy-refractory cancer growth. Cancer Res 81, 3495-3508, 2021.
  11. Kamada S, Namekawa T, Ikeda K, Suzuki T, Kagawa M, Takeshita H, Yano A, Okamoto K, Ichikawa T, Horie-Inoue K, Kawakami S, Inoue S: Functional inhibition of cancer stemness-related protein DPP4 rescues tyrosine kinase inhibitor resistance in renal cell carcinoma. Oncogene 40, 3899-3913, 2021.
  12. Takeiwa T, Ikeda K, Horie-Inoue K, Inoue S: Mechanisms of apoptosis-related long non-coding RNAs in ovarian cancer. Front Cell Dev Biol 9, 641963, 2021.
  13. Hashimoto M, Ho G, Sugama S, Takenouchi T, Waragai M, Inoue S, Masliah E: Possible role of activin in the adiponectin paradox-induced progress of Alzheimer's disease. J Alzheimers Dis 81, 451-458, 2021.
  14. Shiba S, Ikeda K, Horie-Inoue K, Azuma K, Hasegawa T, Amizuka N, Tanaka T, Takeiwa T, Shibata Y, Koji T, Inoue S: Vitamin K-dependent γ-glutamyl carboxylase in Sertoli cells is essential for male fertility in mice. Mol Cell Biol MCB.00404-20, 2021 and Highlighted in "Spotlights" and Cover.
  15. Takayama K, Fujimura T, Suzuki Y, Inoue S: Identification of long non-coding RNAs in advanced prostate cancer associated with androgen receptor splicing factors. Commun Biol 3, 393, 2020.
  16. Namekawa T, Kitayama S, Ikeda K, Horie-Inoue K, Suzuki T, Okamoto K, Ichikawa T, Yano A, Kawakami S, Inoue S: HIF1α inhibitor 2-methoxyestradiol decreases NRN1 expression and represses in vivo and in vitro growth of patient-derived testicular germ cell tumor spheroids. Cancer Lett 489, 79-86, 2020.
  17. Mitobe Y, Iino K, Takayama KI, Ikeda K, Suzuki T, Aogi K, Kawabata H, Suzuki Y, Horie-Inoue K, Inoue S: PSF promotes ER-positive breast cancer progression via posttranscriptional regulation of ESR1 and SCFD2. Cancer Res 80, 2230-2242, 2020.
  18. Mitobe Y, Ikeda K, Suzuki T, Takagi K, Kawabata H, Horie-Inoue K, Inoue S: ESR1-stabilizing lncRNA TMPO-AS1 promotes hormone-refractory breast cancer progression. Mol Cell Biol 39, e00261-19, 2019. and Highlighted in "Spotlight" and Cover.
  19. Ikeda K, Horie-Inoue K, Suzuki T, Hobo R, Nakasato N, Takeda S, Inoue S: Mitochondrial supercomplex assembly promotes breast and endometrial tumorigenesis by metabolic alterations and enhanced hypoxia tolerance. Nat Commun 10, 4108, 2019.
  20. Shiba S, Ikeda K, Suzuki T, Shintani D, Okamoto K, Horie-Inoue K, Hasegawa K, Inoue S: Hormonal regulation of patient-derived endometrial cancer stem-like cells generated by three-dimensional culture. Endocrinology 160, 1895-1906, 2019 and Highlighted in "eNews", pii: en.2019-00362.
  21. Namekawa T, Ikeda K, Horie-Inoue K, Suzuki T, Okamoto K, Ichikawa T, Yano, A, Kawakami S, Inoue S: ALDH1A1 in patient-derived bladder cancer spheroids activates retinoic acid signaling leading to TUBB3 overexpression and tumor progression. Int J Cancer 146, 1099-1113, 2019.
  22. Takayama K, Suzuki T, Fujimura T, Takahashi S, Inoue S: COBLL1 modulates cell morphology and facilitates androgen receptor genomic binding in advanced prostate cancer. Proc Natl Acad Sci U S A 115, 4975-4980, 2018.
  23. Takayama K, Suzuki T, Tanaka T, Fujimura T, Takahashi S, Urano T, Ikeda K, Inoue S: TRIM25 enhances cell growth and cell survival by modulating p53 signals via interaction with G3BP2 in prostate cancer. Oncogene 37, 2165-2180, 2018.
  24. Miyazaki T, Ikeda K, Sato W, Horie-Inoue K, Inoue S: Extracellular vesicle-mediated EBAG9 transfer from cancer cells to tumor microenvironment promotes immune escape and tumor progression. Oncogenesis 7, 7, 2018
  25. Takayama K, Suzuki T, Fujimura T, Yamada Y, Takahashi S, Homma Y, Suzuki Y, Inoue S: Dysregulation of spliceosome gene expression in advanced prostate cancer by RNA-binding protein PSF. Proc Natl Acad Sci U S A, 114, 10461-10466, 2017.
  26. Ashikari D, Takayama K, Tanaka T, Suzuki Y, Obinata D, Fujimura T, Urano T, Takahashi S, Inoue S: Androgen induces G3BP2 and SUMO-mediated p53 nuclear export in prostate cancer. Oncogene 36, 6272-6281, 2017.
  27. Misawa A, Takayama K, Urano T, Inoue S: Androgen-induced long noncoding RNA (lncRNA) SOCS2-AS1 promotes cell growth and inhibits apoptosis in prostate Cancer cells. J Biol Chem 291, 17861-80, 2016.
  28. Obinata D, Takayama K, Fujiwara K, Suzuki T, Tsutsumi S, Fukuda N, Nagase H, Fujimura T, Urano T, Homma Y, Aburatani H, Takahashi S, Inoue S: Targeting Oct1 genomic function inhibits androgen receptor signaling and castration-resistant prostate cancer growth. Oncogene 35, 6350-6358, 2016.
  29. Takayama K, Misawa A, Suzuki T, Takagi K, Hayashizaki Y, Fujimura T, Homma Y, Takahashi S, Urano T, Inoue S: TET2 repression by androgen hormone regulates global hydroxymethylation status and prostate cancer progression. Nat Commun 6, 8219, 2015.
  30. Azuma K, Shiba S, Hasegawa T, Ikeda K, Urano T, Horie-Inoue K, Ouchi Y, Amizuka N, Inoue S: Osteoblast-specific γ-glutamyl carboxylase-deficient mice display enhanced bone formation with aberrant mineralization. J Bone Miner Res 30, 1245-1254, 2015.
  31. Urano T, Shiraki M, Sasaki N, Ouchi Y, Inoue S: SLC25A24 as a novel susceptibility gene for low fat mass in humans and mice. J Clin Endocrinol Metab 100, E655-E663, 2015.
  32. Takayama K, Suzuki T, Fujimura T, Urano T, Takahashi S, Homma Y, Inoue S: CtBP2 modulates the androgen receptor to promote prostate cancer progression. Cancer Res 74, 6542-6553, 2014.
  33. Urano T, Shiraki M, Sasaki N, Ouchi Y, Inoue S: Large-scale analysis reveals a functional single-nucleotide polymorphism in the 5'-flanking region of PRDM16 gene associated with lean body mass. Aging Cell 13, 739-743, 2014.
  34. Takayama K, Horie-Inoue K, Katayama S, Suzuki T, Tsutsumi S, Ikeda K, Urano T, Fujimura T, Takagi K, Takahashi S, Homma Y, Ouchi Y, Aburatani H, Hayashizaki Y, Inoue S: Androgen-responsive long noncoding RNA CTBP1-AS promotes prostate cancer. EMBO J 32, 1665-1680, 2013 and highlighted in "Have you seen?" pp.1653-1654.
  35. Ikeda K, Shiba S, Horie-Inoue K, Shimokata K, Inoue S: A stabilizing factor for mitochondrial respiratory supercomplex assembly regulates energy metabolism in muscle. Nat Commun 4, 2147, 2013.
  36. Murata T, Takayama K, Urano T, Fujimura T, Ashikari D, Obinata D, Horie-Inoue K, Takahashi S, Ouchi Y, Homma Y, Inoue S: 14-3-3ζ, a novel androgen-responsive gene, is upregulated in prostate cancer and promotes prostate cancer cell proliferation and survival. Clin Cancer Res 18, 5617-5627, 2012.
  37. Urano T, Shiraki M, Ouchi Y, Inoue S: Association of circulating sclerostin levels with fat mass and metabolic disease-related markers in Japanese postmenopausal women. J Clin Endocrinol Metab 97, E1473-E1477, 2012.
  38. Urano T, Shiraki M, Yagi H, Ito M, Sasaki N, Sato M, Ouchi Y, Inoue S: GPR98/Gpr98 gene is involved in the regulation of human and mouse bone mineral density. J Clin Endocrinol Metab 97, E565-E574, 2012.
  39. Takayama K, Tsutsumi S, Katayama S, Okayama T, Horie-Inoue K, Ikeda K, Urano T, Kawazu C, Hasegawa A, Ikeo K, Gojyobori T, Ouchi Y, Hayashizaki Y, Aburatani H, Inoue S: Integration of cap analysis of gene expression and chromatin immunoprecipitation analysis on array reveals genome-wide androgen receptor signaling in prostate cancer cells. Oncogene 30, 619-630, 2011.
  40. Takayama K, Tsutsumi S, Suzuki T, Horie-Inoue K, Ikeda K, Kaneshiro K, Fujimura T, Kumagai J, Urano T, Sakaki Y, Shirahige K, Sasano H, Takahashi S, Kitamura T, Ouchi Y, Aburatani H, Inoue S: Amyloid precursor protein is a primary androgen target gene that promotes prostate cancer growth. Cancer Res 69, 137-142, 2009.
  41. Azuma K, Urano T, Horie-Inoue K, Hayashi S, Sakai R, Ouchi Y, Inoue S: Association of estrogen receptor α and histone deacetylase 6 causes rapid deacetylation of tubulin in breast cancer cell. Cancer Res 69, 2935-2940, 2009.
  42. Gack MU, Shin YC, Joo CH, Urano T, Liang C, Sun L, Takeuchi O, Akira S, Chen Z, Inoue S, Jung JU: TRIM25 RING-finger E3 ubiquitin ligase is essential for RIG-I-mediated antiviral activity. Nature 446, 916-921, 2007.
  43. Ichikawa T, Horie-Inoue K, Ikeda K, Blumberg B, Inoue S: Steroid and xenobiotic receptor SXR mediates vitamin K2-activated transcription of extracellular matrix-related genes and collagen accumulation in osteoblastic cells. J Biol Chem 281, 16927-16934, 2006, Cover, and highlighted in "Paper of this week".
  44. Ogushi T, Takahashi S, Takeuchi T, Urano T, Horie-Inoue K, Kumagai J, Kitamura T, Ouchi Y, Muramatsu M, Inoue S: Estrogen receptor-binding fragment-associated antigen 9 is a tumor-promoting and prognostic factor for renal cell carcinoma. Cancer Res 65, 3700-3706, 2005.
  45. Urano T, Saito T, Tsukui T, Fujita M, Hosoi T, Muramatsu M, Ouchi Y, Inoue S: Efp targets 14-3-3σ for proteolysis and promotes breast tumour growth. Nature 417, 871-875, 2002.

主要論文リスト(PDF)