高齢者健康増進事業支援室

メンバー

研究部長 大渕 修一
研究員 西村 悦子
非常勤研究員 関口 晴子、鶴田 陽和、田中 康夫、中田 晴美、坂井 志麻
技術員 西田 和正
非常勤技術員 原井 瑛広
非常勤事務職員 高島 明子、佐藤 由紀子

キーワード

介護予防、高齢者の健康増進、自治体支援

主な活動

  1. 地域における介護予防活動の発展を目指した事業支援
  2. 介護予防主任運動指導員、介護予防運動指導員の効果的な養成とフォローアップ
  3. 民間企業等との新たな健康寿命延伸サービスの創造

活動紹介

超高齢社会に対して、健康寿命の延伸と高齢者のプロダクティビティの向上は重要であり、地域住民とともに介護予防や生活支援のサービスを提供する自治体の役割は欠かせないものです。自治体がこの目的を達成するためには、EOPすなわち科学的根拠(Evidence)、結果へのこだわり(Outcome)、そして実践(Practice)が必要です。高齢者健康増進事業支援室は、研究所のエビデンスを集約し、事業評価や具体的な解決策を提示し、成功へ導くための支援をします。これまでに、多くの自治体で成果を挙げています。

高齢者健康増進事業支援室は、1年から5年の短中期の課題に着眼し、研究所のエビデンスを生かして自治体の支援をします。また、民間企業との共同研究にも積極的に取り組み、研究成果を社会へ還元したいと考えています。地域が一丸となって、健康寿命の延伸に取り組むことができる社会を構築するために尽力します。

1. 地域における介護予防活動の発展を目指した事業支援

介護保険制度の改正によって介護予防・日常生活支援総合事業が始まり、自治体では地域のニーズに応じて住民等の多様な主体が参画し、多様なサービスの充実を図ることが求められています。そこで、高齢者健康増進事業支援室では、これまでの研究で培ったノウハウをもとに自治体における介護予防活動等の事業支援を行います。具体的には、地域課題の把握や、事業評価、介護予防戦略の立案等を支援しています。また、介護予防・日常生活支援総合事業のマネジメントを効果的に行うための、地域のリハビリテーション専門職による連携体制の構築にも取り組んでいます。

さらに、自治体と協働で介護予防リーダー養成講座を実施することで、地域で主体的に介護予防に取り組むことのできる人材を養成しています。この講座で養成された介護予防リーダーは、各地区で自主グループ活動を展開し、地域の介護予防の推進役を担います。これらの介護予防リーダーの活動に関する調査を通して、講座の効果に関する研究も行っています。

また、地域住民を対象にデイサービスで職員の支援を受けながら、介護サービスを担うスタッフ「サブスタッフ」を自治体とともに養成しています。養成講座修了後、サブスタッフはデイサービスや通いの場等で活動します。デイサービスを地域拠点化し、介護に携わる地域住民の養成を行い、高齢者の社会参加による高齢者同士の助け合いシステムの構築を目的としています。地域住民が介護サービスに加わることで、介護予防に関する知識を普及し、新たな役割を創出することが狙いです。サブスタッフに関する調査も行い、事業所や利用者、サブスタッフに対する効果の検証を行い、エビデンスの構築を進めています。

  • 活動の様子1
  • 活動の様子2
  • 活動の様子3

2. 介護予防主任運動指導員、介護予防運動指導員の効果的な養成とフォローアップ

東京都健康長寿医療センター研究所が有する介護予防のノウハウを全国へ普及するために、地域住民に対して介護予防を実践・普及できる人材を養成する介護予防(主任)運動指導員養成事業を行っています。これまでに介護予防主任運動指導員485名、介護予防運動指導員3,6514名が養成されました。介護予防主任運動指導員に対しては、年に2度のフォローアップ研修を実施し、介護予防に関する最新の知見を共有するとともに、参加者同士が情報交換をする場を提供しています。各指定事業者においては介護予防運動指導員を対象としたフォローアップ研修を実施しています。また、介護予防主任運動指導員・介護予防運動指導員専用のホームページを設置し、養成事業や講義内容などの情報提供を行っています。学会等においては介護予防(主任)運動指導員養成事業のPRを行い、指導員資格の認知拡大にも努めています。

  • 介護予防主任運動指導員養成事業のご案内_ページ_01.jpg
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3. 民間企業等との新たな健康寿命延伸サービスの創造

健康寿命延伸のためには、公的保険サービスだけでなく、高次日常生活支援を民間ヘルスケアサービスが担い、高齢者のQOLの向上・介護費用の抑制に貢献することが期待されています。そこで、民間企業等との共同研究により、このような健康寿命延伸プログラムの効果検証を行い、新たなサービスの創造につなげる活動をしています。

主要文献

  1. Junta Takahashi, Hisashi Kawai, Hiroyuki Suzuki, Yoshinori Fujiwara, Yutaka Watanabe, Hirohiko Hirano, Hunkyung Kim, Kazushige Ihara, Akiko Miki, Shuichi Obuchi: Development and validity of the Computer-Based Cognitive Assessment Tool for intervention in community-dwelling older adults, Geriatr Gerontol Int, 2020 Mar;20(3):171-175.
  2. Manami Ejiri, Hisashi Kawai, Yoshinori Fujiwara, Kazushige Ihara, Yutaka Watanabe, Hirohiko Hirano, Hun Kyung Kim, Kaori Ishii, Koichiro Oka, Shuichi Obuchi: Social participation reduces isolation among Japanese older people in urban area: A 3-year longitudinal study, PLoS One. 2019 Sep 20; 14(9): e0222887. doi: 10.1371/journal.pone.0222887.
  3. Takeshi Kera, Hisashi Kawai, Hirohiko Hirano, Motonaga Kojima, Yutaka Watanabe, Keiko Motokawa, Yoshinori Fujiwara, Kazushige Ihara, Hunkyung Kim, Shuichi Obuchi: SARC-F: A validation study with community-dwelling older Japanese adults, Geriatr Gerontol Int. 2019 Sep 18. doi: 10.1111/ggi.13768. [Epub ahead of print]
  4. Takeshi Kera, Hisashi Kawai, Hirohiko Hirano, Kojima Motonaga, Yutaka Watanabe, Keiko Motokawa, Yoshinori Fujiwara, Kazushige Ihara, Hunkyung Kim, Shuichi Obuchi: Definition of respiratory sarcopenia with peak expiratory flow rate. J Am Med Dir Assoc. 2019 Aug;20(8):1021-1025. doi: 10.1016/j.jamda.2018.12.013. Epub 2019 Feb
  5. Hisashi Kawai, Yu Taniguchi, Satoshi Seino, Ryota Sakurai, Yosuke Osuka, Shuichi Obuchi, Yutaka Watanabe, Hunkyung Kim, Hiroki Inagaki, Akihiko Kitamura, Shuichi Awata, Shoji Shinkai: Reference values of gait parameters measured with a plantar pressure platform in community-dwelling older Japanese adults, Clin Interv Aging. 2019 Jul 12;14:1265-1276. doi: 10.2147/CIA.S213216.
  6. 解良武士, 河合 恒, 大渕修一: SARC-F;サルコペニアのスクリーニングツール, 日本老年医学会雑誌, 2019, 56(3) 227-233.
  7. 解良武士, 河合 恒, 平野浩彦, 渡邊 裕, 小島基永, 藤原佳典, 井原一成, 大渕修一: サルコペニアがピークフローに与える影響, 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌, 2018, 27(3), 1-5.
  8. 江尻愛美, 河合 恒, 藤原佳典, 井原一成, 平野浩彦, 小島基永, 大渕修一: 都市高齢者における社会的孤立の予測要因: 前向きコホート研究, 日本公衆衛生雑誌, 2018, 65(3), 125-133.
  9. 大渕修一, 河合 恒, 光武誠吾, 安斎紗保理, 猪股寛裕, 齋藤 光, 津田瞳美, 中島友晴: 高齢者に対するサーキット式コンバインドトレーニングの日常活動量への効果, 体力科学, 2015, 64 (3), 305-314.
  10. 解良武士, 大渕修一, 河合 恒, 吉田英世, 平野浩彦, 小島基永, 藤原佳典, 井原一成: 都市在住高齢者における1年後のフレイル進展の心身機能的要因の検討, 理学療法科学, 2015, 30 (4), 549-555 .
  11. 河合 恒, 清野 諭, 西真理子, 谷口 優, 大渕修一, 新開省二, 吉田英世, 藤原佳典, 平野浩彦, 金 憲経, 石崎達郎, 高橋龍太郎, TMIG-LISA研究グループ: 大規模コホートデータによる地域高齢者の体力評価シートの作成, 体力科学, 2015, 64(2), 261-271.
  12. 大渕修一:介護予防的視点から生活を支える.理学療法学, 2014, 41(8), 499-504.
  13. 大渕修一:Aging in Placeを見据えた高齢者に対する予防戦略(第4回) 介護予防の街づくり.理学療法学, 2014, 41(7), 462-468.
  14. 福嶋 篤, 河合 恒, 光武誠吾, 大渕修一, 塩田琴美, 岡浩一朗:地域在住高齢者による自主グループ設立過程と関連要因.日本公衆衛生雑誌, 2014, 61(1), 30-40.
  15. 河合 恒、光武誠吾、福嶋 篤、小島基永、大渕修一:地域住民の主体的な介護予防活動推進のための取組「介護予防リーダー養成講座」の評価.日本公衆衛生雑誌,2013, 60(4), 195-203.