介護予防研究

メンバー

リーダー 研究部長 大渕 修一
研究員 河合 恒江尻 愛美
非常勤研究員 解良 武士

キーワード

介護予防、簡易生活機能評価、日常生活歩行速度、共助の互助化、アクションリサーチ

主な研究

  1. 日常生活歩行速度に関する研究
  2. 簡易生活機能評価指標の開発研究
  3. コミュニティアズパートナーモデルによる介護予防のアクションリサーチ
  4. サブスタッフによる要支援者への介護予防プログラムの確立
  5. 東京都介護予防・フレイル予防推進支援センターへの支援
  6. 介護予防運動指導員事業の支援
  7. 都市高齢者の社会、経済、健康格差を乗り越える研究

研究紹介

 これまでの介護予防研究では、ハイリスクアプローチシステムの構築を目指し、スクリーニング方法の検討と無作為化比較対照試験による介入効果の検討が行われてきました。ところが、ハイリスク者と判断された人の中には介護予防への参加を望まない人も多く、これからの介護予防研究では、こうした参加を望まない人への介入手法の開発が課題です。私たちは、このような人では、地域における役割の欠如が介護予防行動を妨げていると考え、社会的交流(役割の創出)から始まる介護予防について研究を進めています。
 具体的には、地域保健モデルであるコミュニティアズパートナーモデルによる住民主体の介護予防プログラム、およびデイサービスを教育拠点としたサブスタッフ養成などの、専門職と住民が共に地域の課題を解決する目的志向の介護予防プログラムを開発し、アクションリサーチや他の研究者の取り組みとの比較することによって有効性を検証しています。
 また、基礎研究として自宅で実施可能な介護予防評価指標の開発研究を行っています。ICTを活用し、歩行や認知機能評価などを簡易に実施できるようにすることにより、より若い世代より介護予防への理解が促進できることを狙っています。
 これらの研究成果は、東京都介護予防・フレイル予防推進支援センター、介護予防運動指導員養成事業に提供し、都民への積極的な研究成果の還元を行っていきます。
 さらに、「都市高齢者の健康長寿医療研究会」と協力し、都市高齢者の社会、経済、健康格差を乗り越える研究も進めています。今後は社会構造の急速な変化が予想され、これへの適応能力が、個人の健康に大きな影響を与えると考えられます。従来の調査では脱落者となって補足しにくかった対象を特に重視し、自治体と連携しながら、医療・介護・福祉など社会資源の利用や地域活動への参加も含めて調査することによって、こうした社会構造の変化に適応できずに、いわゆる都市で孤立していく高齢者の姿が明らかになると考えています。この研究会は、病院部門と研究部門との緊密な連携の基に進められ、都内の自治体とも連携を図ることにより、孤立高齢者の課題を明らかにするだけでなく、新しい地域サービスの構築モデルを示すことが可能です。民間企業他、都市高齢者のネットワークづくりに資する団体と共同研究体制を作り、アクションリサーチの実施体制を構築しています。
 令和2年度には、厚生労働省の老人保健健康増進等事業「デイサービスの拠点化による、軽度要介護者向け通所介護サービスへの住民参加の促進に関する調査研究事業」の交付を受け、サブスタッフ養成講座実施マニュアルを作成いたしました。総合事業の展開を模索している自治体の皆様の参考になれば幸いです。

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   サブサタッフ養成講座実施マニュアル          サブスタッフ養成講座パンフレット

主要文献

  1. Junta Takahashi, Hisashi Kawai, Yoshinori Fujiwara, Yutaka Watanabe, Hirohiko Hirano, Hunkyung Kim, Kazushige Ihara, Manami Ejiri, Kaori Ishii, Koichiro Oka, Shuichi Obuchi: Association between activity diversity and frailty among community-dwelling older Japanese: A cross-sectional study, Arch Gerontol Geriatr, 2021 Feb 12;95:104377.
  2. Manami Ejiri, Hisashi Kawai, Kaori Ishii, Koichiro Oka, Shuichi Obuchi: Predictors of older adults' objectively measured social isolation: A systematic review of observational studies, Arch Gerontol Geriatr, 2021 Jan 25;94:104357.
  3. Kumiko Ito, Hisashi Kawai, Harukazu Tsuruta, Shuichi Obuchi: Predicting incidence of long-term care insurance certification in Japan with the Kihon Checklist for frailty screening tool: analysis of local government survey data, BMC Geriatr, 2021 Jan 7;21(1):22.
  4. Yuki Ohara, Hisashi Kawai, Maki Shirobe, Keiko Motokawa, Yoshinori Fujiwara, Hunkyung Kim, Kazushige Ihara, Shuichi Obuchi, Ayako Edahiro, Masanori Iwasaki, Yutaka Watanabe, Hirohiko Hirano: Association between anorexia and hyposalivation in community-dwelling older adults in Japan: a 6-year longitudinal study, BMC Geriatr, 2020 Nov 25;20(1):504.
  5. Hiroko Mori, Shuichi P. Obuchi, Yasuhiro Sugawara, Takeo Nakayama, Ryutaro Takahashi: Comparison of Two Evacuation Shelter Operating Policies and the Role of Public Health Nurses after the Great East Japan Earthquake: A Qualitative Study, Int. J. Environ. Res. Public Health, 2020 Nov 10;17(22):8310.
  6. Takeshi Kera, Hisashi Kawai, Junta Takahashi, Hirohiko Hirano, Yutaka Watanabe, Yoshinori Fujiwara, Kazushige Ihara, Hunkyung Kim, Shuichi Obuchi: Association between ground reaction force in sit-to-stand motion and falls in community-dwelling older Japanese individuals, Arch Gerontol Geriatr, 2020 Aug 6;91:104221.
  7. Hisashi Kawai, Manami Ejiri, Harukazu Tsuruta, Yukie Masui, Yutaka Watanabe, Hirohiko Hirano, Yoshinori Fujiwara, Kazushige Ihara, Masashi Tanaka, Shuichi Obuchi: Factors associated with follow-up difficulty in longitudinal studies involving community-dwelling older adults, PLoS One, 2020 Aug 3;15(8):e0237166.
  8. Shuichi P Obuchi, Hisashi Kawai, Kenji Murakawa: Reference value on daily living walking parameters among Japanese adults, Geriatr Gerontol Int, 2020 Jul;20(7):664-669.
  9. Ryota Sakurai, Hisashi Kawai, Hiroyuki Suzuki, Hunkyung Kim, Yutaka Watanabe, Hirohiko Hirano, Kazushige Ihara, Shuichi Obuchi, Yoshinori Fujiwara: Association of eating alone with depression among older adults living alone: Role of poor social networks, J Epidemiol, 2020 Apr 18. Online ahead of print.
  10. Hisashi Kawai, Shuichi Obuchi, Yutaka Watanabe, Hirohiko Hirano, Yoshinori Fujiwara, Kazushige Ihara, Hunkyung Kim, Yoshiyuki Kobayashi, Masaaki Mochimaru, Eiki Tsushima, Kozo Nakamura: Association between Daily Living Walking Speed and Walking Speed in Laboratory Settings in Healthy Older Adults, Int J Environ Res Public Health, 2020 Apr 15;17(8):2707.
  11. Junta Takahashi, Hisashi Kawai, Hiroyuki Suzuki, Yoshinori Fujiwara, Yutaka Watanabe, Hirohiko Hirano, Hunkyung Kim, Kazushige Ihara, Kaori Ishii, Koichiro Oka, Shuichi Obuchi: Reliability and Validity of the Activity Diversity Questionnaire for Older Adults in Japan, Int J Environ Res Public Health, 2020 Mar 31;17(7):2384.
  12. 河合 恒, 西田和正, 江尻愛美, 解良武士, 佐藤和之, 中田晴美, 大渕修一: コミュニティアズパートナーを活用した地域診断による住民主体のフレイル予防活動支援プログラムの効果, 日本老年医学会雑誌, 印刷中.
  13. 江尻愛美, 河合 恒, 安永正史, 白部麻樹, 伊藤久美子, 植田拓也, 大渕修一: 住民主体の通いの場における活動期間に応じた継続支援方法の考察, 日本公衆衛生雑誌, 印刷中.
  14. 西田和正, 河合 恒, 解良武士, 中田晴美, 佐藤和之, 大渕修一: 「コミュニティアズパートナー」モデルを用いた住民主体のフレイル予防活動支援プログラムの実践と評価, 日本公衆衛生雑誌, 67(8), 518-527, 2020.