フレイル外来

特徴

「フレイル」は「健康」と「要介護状態」の中間の状態で、ストレスによって要介護に陥りやすい状態です。「フレイル」は運動や栄養によって一部健康に戻ることができると言われています。

フレイル外来は、歩く速度が遅くなったといった症状がある「フレイル」の人を対象に、身体機能や認知機能を検査し、「フレイル」の原因となる低栄養、運動不足、病気を明らかにして、要介護に陥らない対策を立てるための内科の外来の一つです。

また、手術前に「フレイル」の検査を行って、合併症なく、安全に手術ができるかどうかをみきわめることも行っています。

フレイル外来では、個人情報を保護の上でデータを研究に利用されていただいております。

外来医師配置表

午前

飯塚

田村

大庭

荒木
木下

石川

午後

豊島(堅)

荒木
岩切
藤原

フレイル外来の流れ

フレイル外来では医師がフレイルの症状の問診、身体診察を行った後に、臨床心理士がフレイルと関係する検査や認知機能の検査を行い、身体活動量、栄養、薬剤、社会状況についてお話を伺います(図1)。

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以下の検査を行いますが、人によって検査内容が異なる場合があります。

  1. 筋肉量、下腿の周囲径
  2. 握力、歩行速度、Timed Up and Go test、片足立ち時間などの体力測定
  3. 認知機能検査:少し詳しくみます
  4. アンケート調査:フレイルの指標(J-CHS、基本チェックリストなど)、日常生活の活動度、うつ状態の有無、生活の質(QOL)、栄養状態、身体活動度、社会とのつながりなどをアンケートで伺います。
  5. 必要に応じて動脈硬化の検査、脳の画像検査などを行います。

高齢者がフレイルになる要因は身体機能低下、認知機能障害、うつ、栄養、薬剤、社会環境、疾患など様々です。したがって、フレイル外来は高齢者を総合的に評価し、フレイルの原因を明らかにし、その対策を立てます。また、フレイルになりやすい疾患の糖尿病、肥満、心不全、慢性腎臓病、慢性閉塞性肺疾患、骨粗鬆症、変形性関節症、肝硬変、貧血などの適正な治療を行います(図2)。また、フレイルの人に多い症状である転倒、低栄養、便秘、口腔機能障害、慢性疼痛、排尿障害、不眠、視力障害、聴力障害などのケアを行います。

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さらに重要なことは地域の社会サービスを利用し、運動、食事、社会参加などのフレイルの予防対策を継続してできるようにすることです(図1)。「介護保険」の要介護認定を申請し、デイケアなどのサービスを受けていただくことがあります。地域の「通いの場」などの利用をお勧めする機会も増えています。例えば、板橋区では通いの場として「10の筋トレ」ができる場所が110以上もあります。

フレイル外来の対象

当センターのいずれかの外来に通院中で病状が安定している患者さんで、以下の症状がある患者さんが対象です。

  1. 歩く速さが遅くなった
  2. 活動量が減った
  3. 疲れやすくなった
  4. 物忘れを感じるようになった
  5. 弱ってきた
  6. 体重が減ってきたなど

かかりつけ医の先生へ:
全くの初診の患者さんは、直接、火曜日午後の外来(地域連携枠)を予約、または高齢診療科、糖尿病・代謝・内分泌内科、
循環器内科の外来を予約していただき、そこからフレイル外来を受診していただくようにお願いします。