放射線診断科

インフォメーション

特徴

レントゲン博士がX線を発見して100年ちょっと経ちました。今では医療にとって、放射線はなくてはならないものとなっています。胸の写真を撮ったり、胃のバリウム検査、血管造影などなど、放射線を使って病気の診断や治療を行うところが放射線科です。
放射線を使う検査や治療は、その効果が不利益(例えば癌になったりする)を上回っていると判断した場合にのみ、行われます。そのために、専門科の集まりである放射線科があり、どうすれば、できるだけ少ない被ばくで大きな効果が上げられるかを判断しながら、検査、治療にあたっています。 放射線科では、放射線を用いた検査や治療の専門家である放射線科医と、放射線装置をやMRIを取り扱う専門家である診療放射線技師、そして看護師さんや事務の人などが協力してより良い診療を皆さんに提供させていただくために努力しています。
放射線科は、放射線診断と治療に大きく分かれますが、放射線診断科では、4名の放射線診断を専門とする医師がCTやMRIを用いた病気の診断、RI, PETを駆使しての、体中の色々な病気の診断や、色々な臓器の機能検査を行っています。

疾患診療方針概要

CT(コンピューテッド・トモグラフィ)検査

新施設では、最新CT装置(320列1台、64列1台)を導入しております。この装置により広範囲を短時間で撮影可能となり患者さんに優しい検査を行うことができます。また様々な最新技術が搭載されており、従来のCT検査よりも被ばくを低減することが可能となりました。

  • 超高速撮影
    胸部全体が0.6秒*、全身撮影がわずか2秒で撮影します。息止めができない患者様でも、綺麗な画像を撮影し、正しい診断に役立てることができます。
  • 心臓冠状動脈CT
    心臓の鼓動よりも早く! 1/4心拍で心臓全体を捉え、冠動脈を描出し、心臓を栄養する血管の状況を把握することができます。
  • 患者さんにやさしい、被ばく低減技術の数々
    最新技術を組み合わせることで、従来装置よりも被ばくを低減し、患者さんにやさしい検査を実現するCTです。
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CT検査の注意点

新施設では、最新CT装置(320列1台、64列1台)を導入しております。この装置により広範囲を短時間で撮影可能となり患者さんに優しい検査を行うことができます。また様々な最新技術が搭載されており、従来のCT検査よりも被ばくを低減することが可能となりました。

  • CT検査はX線を使って、身体の輪切り画像を作り出す検査です。
  • 寝台の上に寝ていただいて検査を行います。(部位により両手を挙げていただきます。)
  • 検査時間は検査部位により異なりますが、5~20分位です。
  • 検査部位によりアナウンスに合わせて息を止めていただきます。
  • ヨード造影剤を使用し、詳しい検査を行う場合があります。お薬にアレルギーなどある方は、事前にお知らせください。
  • 検査部位や内容によっては検査着に着替えていただく事がございます。
  • 妊娠中の方・妊娠の可能性がある方はスタッフまでお知らせください。
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MRI(核磁気共鳴)検査

  • 新施設では、最新の3テスラMR装置、及び1.5テスラMR装置の2台が稼働いたします。
  • MRI検査は、大きな磁場の中で身体からの信号を受け取り、コンピューターで計算し、断層画像を作ります。放射線被曝はありません。一度の撮影で、横断像、冠状断像、矢状断像などの任意の断面を得ることができます。
  • 超急性期脳梗塞や脳動脈瘤の検出が可能です。当直時間帯にも検査可能であり、救急患者様の脳MRIは24時間撮影可能な態勢になっています。
  • アルツハイマー型認知症など認知症の鑑別診断に、脳血流SPECT検査と併せた解析が有用です。
    肝特異性造影剤使用による肝腫瘍の質的診断やMRCPによる非侵襲的な胆道系・膵の検査、前立腺がんや乳がんの診断や心疾患のMRI診断も行っています。循環器科との共同での、心臓血管の描出、心臓の動きの評価にも定評がございます。
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MRI検査上の注意点

  • 心臓ペースメーカー・埋め込み型除細動器・人工内耳・深部脳刺激装置をご使用されている方などはMRI検査を行えません。
  • 脳動脈瘤手術クリップ・人工弁・人工股間節等の体内金属がある方・妊娠中などはMRI検査を受けられないことがあるため、担当医師に申し出てください。
  • 補聴器・時計・携帯電話など精密機械や磁気記録カードは故障や記録が消去される場合があるので持込は禁止となります。
  • 閉所・暗所が苦手な方、お薬などにアレルギーがある方、入れ墨のある方はあらかじめ職員にお申し出ください。
  • 入れ歯、使い捨てカイロ、エレキバン、湿布等は、火傷や画像のみだれを引き起こす可能性がありますので取り外していただきます。
  • 胆嚢や胆管、膵臓の検査の方は検査2時間前の飲食はお控えください。
  • 救急検査によりご予約の時間に検査が行えない場合がありますのであらかじめご了承ください。
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骨密度測定

64チャンネル高密度検出器、大腿骨部骨強度計測機能、脊椎変形診断機能により、骨粗鬆症診断において測定精度の向上を目指します。また、ボディコンポジットや骨形態計測機能などにより、アンチエイジングのモニタやメタボリック症候群などに関連するダイエットコントロールのモニタなど予防医学への応用にも期待しております。

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    GEヘルスケア 骨塩定量測定装置 iDXA

RI検査

核医学検査は放射線を放出する『放射性同位元素(RI:ラジオアイソトープ)』を用いた検査です。
放射性同位元素に、体内の特定の臓器や病変部に集まる性質をもった物質が混ざった薬を『放射性医薬品』といいます。 放射性医薬品が体内に投与されると、目的とした臓器や病変部に集まっていきます。その様子を専用のカメラで撮影することで、CTやMRIによる形態的な画像情報では得ることのできない、臓器の機能や病態などの情報を得ることができます。

  • 検査手順:放射性医薬品を注射します。薬品が、目的とする部位や臓器にいきわたるまでお待ちいただきます。待ち時間は、各検査により異なり、投与直後から撮影する場合や2~3日後に撮影する事もあります。
    検査装置の寝台に仰向けなっていただきます。カメラが体内から放出される放射線を検出し、画像化していきます。検査時間は検査により異なりますが、30分くらいとなります。
    投与された薬品は体内で代謝され、尿や便と共に体外へ排出されます。
  • 心筋シンチグラフィ
    血流(Tl・Tc)・脂肪酸代謝(BMIPP)・交感神経状態(MIBG)などの検査があります。
    心臓の各領域における血流・代謝の状態から、狭心症・心筋梗塞・心不全・パーキンソン病などの病気の診断や状態を調べることができます。
    心臓の左室に取り込まれる放射性同位元素(アイソトープ:RI)を用います。
    当院では心筋血流シンチグラフィ(負荷)を数多く行っており 主に心筋梗塞・狭心症の診断・治療方針・予後予測に参考となります。
    心筋血流シンチグラフィ(負荷)は、薬剤と運動によって心臓に負荷をかけた状態で放射性同位元素(アイソトープ:RI)を注射します。
    負荷後と安静時(3~4時間後)の2回ガンマカメラにて撮像します。
    撮影した画像は、日本核医学専門医による読影を行っております。
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      日本バイオセンサーズ 半導体検出器
      心臓専用SPECT装置  D-SPEC
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      アイソトープ検査室エルゴメーター

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    SPECT画像
    矢印は虚血部位(左前下行枝領域)

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      Bull's eye map 画像
      矢印は虚血部位(左前下行枝領域)
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      冠動脈造影
      矢印は狭窄部位(左前下行枝#7)
  • 骨シンチグラフィ
    骨組織に集まる放射性医薬品を用います。癌の骨転移など、骨の状態や異常のある部位を調べることができます。注射から2~3時間後に撮影を開始します。

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  • ガリウムシンチグラフィ
    腫瘍や炎症に集まる放射性医薬品を用います。
    腫瘍や炎症の状態や病変の存在する部位を調べることができます。
    注射から2~3日後に撮影を開始します。
  • 肺血流シンチグラフィ
    肺に集まる放射性医薬品を用います。肺動脈の血流障害の範囲や部位を調べることができます。注射から10~15分後に撮影を開始します。
  • 脳血流シンチグラフィ・脳SPECT
    脳組織に取り込まれる放射性医薬品を用います。脳の各領域における血流の状態から、脳血管障害や認知症、精神疾患等の病気の診断や病状を調べることができます。注射直後から撮影を開始します。 MRI検査等と併せ、より精密な診断に結び付けています。
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  • 検査の注意点
    検査室内では、専用のサンダル・スリッパに履き替えていただきます。
    検査内容により、検査前にお食事を控えていただくことがあります。
    金属類をはずしていただきます。
    検査内容により、着替えていただくことがあります。
    注射の際にアルコールで消毒を行います。アレルギー等ある方はスタッフにお知らせ下さい。
    妊娠中・妊娠の可能性がある方は職員にお知らせ下さい。
    授乳中の方は職員にお知らせください。
    撮影中はお体を動かさないようにしてください。
    何か気になることや体勢の維持が困難になった場合には、動く前にスタッフにお声かけください。
    撮影の際に、カメラが身体のすぐ近くまで接近する事があります。
  • PET(ポジトロン断層)検査

    PET検査はがんの診断において優れた検査です。また、脳の機能をみることによって、認知症や神経疾患の詳しい検査を行うことができます。
    当センターでは、2017年3 月末に日本で3 番目となる半導体PET/CT GEDiscovery MI が導入されました( 図PET1)。2013 年6 月に新施設の開設と同時に導入されたGE Discovery PET/CT 710(図PET2)と合わせて高性能PET/CT が2台となります。
    今まで運用されていたPET/CT 710 に関しても、time-of-flight などの先進的な技術が使われ、高性能でありますが、今回導入された機種は、光電子増倍管の代わりに半導体を使用し、今までよりも約2 倍の感度を誇る最新鋭の機種です。

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      図PET1 半導体PET-CT GE Discovery MI
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      図PET2 GE Discovery 710 PET-CT

当センターでは毎週月曜日と金曜日に保険診療のPET-CT 検査を行っております。心臓サルコイドーシスにも保険適応が拡充されましたが、絶食時間の条件が異なりますので、その場合にはご連絡をしてください。

FDG PET-CT は、早期胃がんを除く悪性腫瘍の病期診断に保険適応があります。

  • 悪性腫瘍
    ※早期胃癌を除く他の検査、画像診断により病期診断、転移・再発の診断が確定できない方。
  • てんかん
    難治性部分てんかんで外科手術が必要とされる方。
  • 虚血性心疾患
    虚血性心疾患による心不全で、心筋組織のバイアビリティ診断が必要とされる方。
    ※通常の心筋シンチグラフィで判定困難な場合に限る。

検査自体は低侵襲のため高齢者や様々な合併症を抱える患者様にも安全に検査が受けられます。最新のPET/CT により一層近隣の先生方の診療や地域の皆様の健康にお役に立てればと思います。

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スタッフ紹介

放射線診断科医長(診療科長)

鈴木 文夫

すずき ふみお

出身大学東京大学
卒業年次平成22年
専門神経放射線画像診断
担当外来/担当診療科放射線診断科
資格放射線診断専門医
日本医学放射線学会研修指導者
医学博士

放射線診断科部長

德丸 阿耶

とくまる あや

出身大学三重大学
卒業年次昭和60年
専門神経放射線診断、認知症画像診断、神経変性疾患画像診断
担当外来/担当診療科放射線診断科
資格医学博士
日本医学放射線学会認定放射線診断専門医
日本医学放射線学会認定指導医
日本専門医機構専門医
日本神経放射線学会評議員
コメント東邦大学佐倉医療センター放射線科客員教授、東京医科歯科大学医学部放射線科非常勤講師、日本神経放射線学会評議員、日本神経病理学会関東地方会画像コメンテーターなど。認知症やパーキンソン病など高齢に伴う重要疾患の診断技術と開発において、日本のリーダーの一人。内外の専門家との意見交換が、臨床現場に即時に反映できる体制を築いています。

放射線診断科専門部長

高田 晃一

たかだ こういち

出身大学帝京大学
卒業年次平成10年
担当外来/担当診療科放射線診断科
資格医学博士
日本医学放射線学会研修指導者
放射線診断専門医

放射線診断科技師長

海野 泰

うんの やすし

卒業年次昭和59年
専門放射線診断
担当外来/担当診療科放射線診断科
資格臨床実習指導教員
放射線管理士
放射線機器管理士
シニア放射線技師
日本放射線技師会、日本放射線技術学会、日本医用画像工学会、日本人間工学会所属
常勤医
  • 張 申逸(ちょう しんいち)
  • 佐々木 舞(ささき まい)
非常勤医
  • 青木 茂樹(あおき しげき)
  • 明石 敏昭(あかし としあき)
  • 岡田 慎悟(おかだ しんご)
  • 加納 進太郎(かのう しんたろう)
  • 狩野 洋輔(かのう ようすけ)
  • 津田 正喜(つだ まさき)
  • 寺田 一志(てらだ ひとし)
  • 中塚 智也(なかつか ともや)
  • 波多野 嗣久(はたの つぐひさ)
  • 治山 高広(はるやま たかひろ)
  • 藤井 昭朗(ふじい あきお)
  • 平井 ミキ(ひらい みき)
  • 味元 公子(みもと きみこ)
  • 渡邉 祐亮(わたなべ ゆうすけ)