心臓外科

午前
村田

伊達
午後
河田

眞野
(心不全外来)

特徴

心臓外科では心臓、胸部大動脈、肺動脈の病気を循環器内科と協力して診療しています。当院心臓外科の診療スタッフは常勤心臓外科医2名、非常勤心臓外科医8名で、主に成人心臓大血管疾患手術を行っています。日常診療においては循環器内科と連携し、急性心筋梗塞やうっ血性心不全の緊急症例、胸部大動脈破裂や急性大動脈解離の緊急症例にも対応できる質の高い医療の提供に努めています。

外来医師配置表

疾患診療方針概要

  • 冠動脈疾患: 狭心症、不安定狭心症、急性心筋梗塞症に対して薬物やカテーテル・インターべンションが有効でない症例に対して冠動脈バイパス手術を行います。また、急性心筋梗塞に続発する心室中隔穿孔・僧帽弁乳頭筋断裂・左室自由壁破裂などに対して緊急救命修復手術を行います。
  • 大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、感染性心内膜炎などの心臓弁膜症に対して、弁形成・人工弁置換などの治療を積極的に行っていますが、当センターでは高齢の患者さんが極めて多く冠動脈バイパスを同時に行う患者さんが増えています。心臓弁膜症に合併した心房細動に対してはメイズ手術を行います。
  • 胸部大動脈瘤、大動脈弁輪拡大症、急性大動脈解離、慢性解離性大動脈瘤などの大動脈疾患に対して、人工血管置換・大動脈基部置換(ベントール手術)、ステントグラフト治療を行います。弁膜症と同様、当センターでは高齢の患者さんが極めて多く冠動脈バイパスを同時に行う患者さんが増えています。
  • 血栓溶解療法など内科的治療が有効でない肺梗塞症例に対して補助循環・肺動脈内血栓除去術を行います。
  • 心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、ファロー四徴症など成人先天性心疾患に対して、根治的な心内修復術を行います。
  • 内科的治療抵抗性の拡張型心筋症、虚血性心筋症などの重症心不全に対して左室形成術、補助循環治療を行います。

重症心不全治療

重症心不全に対する補助人工心臓治療のご紹介

厚生労働省が発表した平成23年の死因統計では、50歳後半で「がん死亡」が減少し始め、加齢に伴い「心疾患死亡」が「肺炎死亡」とともに増加していきます。また、長期に入退院を繰り返すことにより著しくQOLが低下していくのが心疾患であり、高齢者医療にとって心不全対策は高齢者医療の大きな課題です。日本では心臓大血管手術の40%が70歳以上の症例であり、天皇陛下も78歳というご高齢で冠動脈バイパス手術をおうけになり、素晴らしく回復されましたことは国民にあまねく周知されているところであります。

性・年齢階級別にみた主な死因の構成割合(平成23年)

しかし、高度心不全で死に至る心疾患の中には冠動脈バイパスや弁膜症手術などの通常の心臓手術では回復できない特発性心筋症(拡張型心筋症・肥大型心筋症)を始めとする心筋症は、薬物治療の効果がなくなった時点で心臓移植や人工心臓治療でしか救命できなくなります。

東京都健康長寿医療センターでは、こうした難治性の重症心不全症例に対して2013年4月より補助人工心臓治療を開始しました。昨年度は4名の心原性ショックに陥った患者さんに体外設置型ニプロ補助人工心臓(図a)を装着し、4名中3名を救命することができました。1名(48歳、男性)は3か月後に東大病院にてHeartMate IIという植込型補助人工心臓(図b)に取り換えて現在ご自宅で仕事をしながら心臓移植を待機されています。もう一方(25歳、男性)はニプロ補助人工心臓装着し6か月目になりますが当センターでリハビリ中です。27歳女性のYさんは3か月半の補助の後、ご自身の心機能が回復し補助人工心臓から離脱し3月末に退院されご自宅で元気に赤ちゃんを育てられています。当センターは今後、植込型補助人工心臓実施施設認定を受けるべく準備を進めています。

  • (a) 体外設置型ニプロ補助人工心臓
    (a) 体外設置型ニプロ補助人工心臓
  • (b) HeartMate II植込型補助人工心臓
    (b) HeartMate II植込型補助人工心臓

Yさんは2013年11月上旬に出産から1週間で産褥心筋症のため心原性ショックに陥り、都内の大学病院より当センターに搬送された患者様です。4日後に補助人工心臓装着術を行い、術後10日目にICU退室、リハビリテーションを開始しました(図c)。その後、心機能は順調に回復し、2014年2月中旬に補助人工心臓離脱しました(図d)。3月下旬に元気に退院され、現在、外来通院されています。

  • (c)補助人工心臓装着中のリハビリ
    (c)補助人工心臓装着中のリハビリ
  • (d)補助人工心臓離脱後のリハビリ風景(動画)
    (d)補助人工心臓離脱後のリハビリ風景(動画)

主な対象疾患(治療実績)

  • 冠動脈疾患: 狭心症、不安定狭心症、急性心筋梗塞
  • 心臓弁膜症: 大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、感染性心内膜炎
  • 不整脈疾患: 心臓弁膜症に合併した心房細動
  • 大動脈疾患: 胸部大動脈瘤、大動脈弁輪拡大症、急性大動脈解離、慢性解離性大動脈瘤
  • 肺動脈疾患: 肺梗塞
  • 成人先天性心疾患: 心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、ファロー四徴症など
  • 重症心不全に対する左室形成術、僧帽弁形成術、補助循環治療など

スタッフ紹介

センター長

許 俊鋭

きょ しゅんえい

出身大学東京大学
卒業年次昭和49年
専門心臓血管外科一般、冠動脈バイパス、心臓弁膜症、補助人工心臓、心臓移植
担当外来/担当診療科心臓外科
資格心臓血管外科専門医・修練指導者
循環器専門医
植込型補助人工心臓実施医
胸部外科指導医
コメント成人心臓血管外科一般、補助人工心臓治療、心臓移植治療を専門とし、日本の補助人工心臓治療、心臓移植治療のリーダーの一人です。

心臓外科部長

河田 光弘

かわた みつひろ

出身大学浜松医科大学
卒業年次平成9年
専門心臓血管外科一般、大動脈疾患、冠動脈バイパス、心臓弁膜症、ステントグラフト治療、血管内治療
担当外来/担当診療科心臓外科
資格外科認定医・専門医・指導医
心臓血管外科専門医・修練指導者
循環器専門医
下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術の実施基準による実施医
胸部ステントグラフト指導医(Gore TAG)
胸部ステントグラフト指導医(Zenith TX2)
腹部ステントグラフト実施医(Gore Excluder)
腹部ステントグラフト実施医(Zenith)  
身体障害者福祉法第15条指定医    
植込型補助人工心臓実施医
コメント患者さんと一緒に心臓疾患、大動脈疾患に取り組んで行きたいと思います。ご相談頂けますと幸いです。

心臓外科医長

伊達 数馬

だて かずま

出身大学東京大学
卒業年次平成19年
担当外来/担当診療科心臓外科
資格外科専門医
心臓血管外科専門医
胸部ステントグラフト実施医
腹部ステントグラフト実施医

心臓外科専門医長

眞野 暁子

まの あきこ

出身大学京都府立医科大学
卒業年次平成8年
専門循環器内科一般、心不全、補助人工心臓、心臓移植
担当外来/担当診療科心臓外科
資格循環器専門医
認定内科専門医
ECFMG certificate
常勤医
  • 村田 知洋(むらた ともひろ)
非常勤医
  • 小野 稔 顧問 (東京大学・心臓外科教授)(おの みのる)
  • 縄田 寛 (聖マリアンナ医科大学・心臓血管外科准教授)(なわた かん)
  • 木下 修 (東京大学・心臓外科特任講師)(きのした おさむ)
  • 竹谷 剛 (三井記念病院・心臓血管外科科長)(たけたに つよし)
  • 三浦 純男 (三井記念病院・心臓血管外科科長)(みうら すみお)
  • 齋藤 綾 (東邦大学佐倉病院・心臓血管外科准教授)(さいとう あや)
  • 山本 真由 (帝京大学・放射線科講師)(やまもと まさよし)
  • 近藤 浩史(帝京大学・放射線科教授)(こんどう ひろふみ)