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午後 | 加藤 |
認知症ほどではないものの、正常な「もの忘れ」よりも記憶などの能力が低下している「軽度認知障害」が最近注目されています。軽度認知障害のすべてが認知症になるわけではありませんが、診断されて4年のうちに、約半数の人が認知症へ進行するという調査結果があります。
この段階から治療を開始することで、認知症の進行を遅らせるなどの効果が期待されています。
当科では、「軽度認知障害」を対象とした『高齢者いきいき外来』を2014年9月に開設しました。
「高齢者いきいき外来」では、「軽度認知障害」を中心に診断を行い、リハビリテーションの視点から、生活習慣の管理や治療などについての助言・提案を致します。
物忘れが主たる症状だが、日常生活への影響はほとんどなく、認知症とは診断できない状態。
軽度認知障害は正常と認知症の中間ともいえる状態です。その定義は、下記の通りです。
すなわち、記憶力に障害があって物忘れの自覚があるものの、記憶力の低下以外に明らかな認知機能の障害がみられず、日常生活への影響はないか、あっても軽度のものである場合です。しかし、軽度認知障害の人は年間で10~15%が認知症に移行するとされており、認知症の前段階と考えられています。
認知症も早期診断が望ましいとされていますが、近年では認知症早期診断方法の進歩により、認知症の診断基準を満たす状態では、認知症がかなり進行しており早期治療にはつながらない、という意見があります。そこで、軽度認知障害という用語が、「アルツハイマー病など認知症の前駆状態を意味する状態」という意味で使われるようになっています。 この状態での診断が注目される背景には、新たな治療法開発にともなって認知症の早期診断が重要になってきたことがあります。従来の標準的な認知症の診断基準に示された項目を満たすようになった段階は、決して「早期」とはいえません。そこで、認知症「最初期」の特徴を明らかにすることが必要になり、軽度認知障害が注目されるようになりました。 最近、海外の研究で、生活習慣病の予防により、認知症の発症を減らすことができる、という報告が出ています。その研究内容は、糖尿病・高血圧・脂質異常症の治療と望ましい生活習慣(飲酒量の制限、禁煙)の指導を行ったところ、認知症の発症を抑えることができた、というものです。脳梗塞・脳血管性認知症だけでなく、認知症それ自体の発症を抑えることができたのです。
※結果説明を含めて終了までに2時間ほどかかります。
この日に次回の脳画像等の検査予約を取っていただきます。
頭部MRI・脳血流シンチなどを実施します。
検査結果、診断についての説明、生活習慣改善などのアドバイスをします。
①生活習慣病のチェックと管理方法についてご指導します。
②治療を要する疾患と診断されれば、治療を行います
(必要に応じて、専門診療科への紹介なども行います)。
③『心身レクササイズ』のご紹介
【こんな変化を感じている方もご相談ください】
笑顔に磨きをかけ、いつまでもいきいき・はつらつとしていたい! と願うあなたにこそお勧めです。50代・60代の方もどうぞ!
電話予約センター 03-3964-4890(月~金 9~17時)または病院1階の予約窓口にてご予約下さい。
リハビリテーション科では、皆さまの生活のお役に立てる効果的な方法を見出そうと、運動レクササイズ、認知レクササイズの両プログラム(『心身レクササイズ』)を開発し、それらを皆さまに実施してもらうことでの効果を、短期的・長期的に検証する研究を行っています。
このプログラムでは、皆さまにご参加していただくにあたり、いろいろな側面から運動機能・認知機能を評価し、それぞれのメニューに沿ったトレーニング方法の指導、生活習慣について助言します。並行して、ご自宅でも実践できる『ホームレクササイズ』を継続していただき、定期的に運動機能評価、認知機能評価を行っていきます。
『高齢者いきいき外来』は、このプログラム(『心身レクササイズ』)へのご参加を希望される皆さまの「申し込み窓口」となっています。このプログラムへのご参加を希望される方は、『高齢者いきいき外来』を予約し、担当医師に直接ご相談ください。
この研究は、2014年12月にスタートとし、下記の内容で実施しています。